スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.13|東所沢サクラタウン
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はじめに
埼玉県の南部、東所沢の東川沿いに古くからあった浄水場が突然閉鎖になり、大きな倉庫でも出来るのかと思っていたら、突然巨大な天然石の建物になっていったのは数年前。今では全国区の知名度となったサクラタウン、こんなカッコいい建物は都内でもなかなかないと思う。隣町なので出来たころから何度となく撮りに行っている。回数を重ねることで見つけたものを今回紹介したいと思う。
本館
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まずはメインの建物となる武蔵野ミュージアム。どの角度から撮ってもカッコいいのだが一番大きさが引き立つ真正面で、距離がとれる場所から撮影することにした。超広角レンズで水平、垂直を気にししつつ、子供が一人横切るのを待った。建物を大きく見せたい時は下からあおり気味にするのも良いが、下がって撮るのも面白い。その際、立ち位置の次にレンズの角度を水平にすることが重要になってくる。またこのように人を入れる場合は足の形で使えるかどうか判断することが多いのだが、子供の時は靴の裏が真後ろを向いている時が一番良いと思っている。
ミュージアム内の図書館
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有料エリアのここの図書館は、撮影の為にセッティングされてる様な場所なので個性を出そうとすると一気に難しくなる。皆が気が付かないであろう場所を探してみた。上の階、出口付近の塀から下を覗いたらこんな景色が広がっていた。フルサイズのカメラを1.5倍にクロップして9mmのレンズで撮影すると周辺がけられてしまうのだが、元々暗い場所ではこんな感じで不自然にならないのでそのままトリミングせずに使用した。意外と皆が気が付かない場所って出口や上からだったりすることが多いので、現場で悩むときは出口付近から攻めていくのがいいかもしれない。皆が向いている方向と逆を探してみると個性がでると思う。
大階段
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早朝は中に入ることはできないが、朝8時頃からこんな感じで誰もいない階段を撮ることができる。左右の柱にあおりが出ないように少し離れたところでカメラを高く持ち、レンズの角度は上向きにならないように水平かほんの少し下向きにして撮影した。建物メインで撮る時の約束事がこの写真に凝縮されている。朝早めの人が少ない時間帯はお勧めだ。
本館横のライト
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超広角だけが狙える撮影方法。床に埋め込まれている本館用のライトアップの電灯でアンパンぐらいの大きさしかないので気づきずらいが、美術館とかによくあるので最近よく撮る様にしている。ガラス面は影になっていて、空はこのように青空でないと、ここまで綺麗に映り込んではくれない。夜はライトアップされているので基本無理だが、ランプが切れてるところでは使える事が多いので探してみることをお勧めする。
三角コーンと巫女さん
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赤白がそろい、ふふって楽しい気分になったのでシャッターを切った。こういったちょっとした楽しさがある写真が一番好きだったりする。楽しい出来事で心温まる瞬間が好みの構図におさまっている。奥のコーンの入り方も少し気にかけていたと思う。
大きな水面
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メインの建物の横は大きな水面があって中に入って水遊びができたりする。基本対岸の方から撮る景色が南米ボリビアにあるウユニ塩湖みたいになっていて有名なのだが、この日は北の空に大きな入道雲があり、子供の並びがいい感じだったので逆側から撮ってみた。並びがだんだんと右に大きくなっているところがお気に入り。
大階段の下から
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鱗(うろこ)雲が綺麗だったので渡り廊下の三角の隙間から狙ってみた。左側の建物の上に空の隙間ができないところに移動して構図を調整している。建物メインの中でもやはり人がポツリと居ると絵になる。
ミュージアム
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期間限定でアマビエの絵が建物に張り付けてあった時期に撮ったもので、建物と絵は人と比べるとその大きさが分かると思う。排水溝の金属のラインを下の模様に取り込んでみた。
大階段下
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週末はイベント盛りだくさんで広場は売店で埋め尽くされて建物メインに撮ろうとすると、ちょっと残念になるが、このように階段下で地域の子供たちの発表会があったりするので、とてもにぎやかな写真を撮ることが出来る。桜の時期ダンスをしている子供たちの後ろに行き交う自転車がアンマッチで楽しく思えた。左に遅れた自転車があったのと右端の子供も入れたくてこの様な構図にしている。
ミュージアム内部の階段
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建物内は無料エリアでも十分魅力的で特に気に入っているのがこの階段。企画展ごとに壁の絵も替わるので、いつ行っても新鮮な気持ちで撮ることができる。
あとがき
新しいこういった施設は都心湾岸エリアに集中していたが、やっと埼玉県南部にも人が集まる楽しい場所ができた。食事どころも沢山あるので写真以外でも楽しめると思う。都心部からは少し遠く一時間くらい掛かってしまうが、羽田空港から駅まで直通バスもあったりで遠方からも行きやすかったりする。超広角があると建物の全景も入れることができるので持参することをお勧めする。
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■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。