ソニー VLOGCAM ZV-E10×ペット撮影|小川晃代
はじめに
動画も写真もこだわって他人と差をつけたい!という方におすすめのレンズ交換式Vlogカメラ「VLOGCAM ZV-E10」。αユーザーの私にとっても楽しみにしていたカメラです。
わんこにゃんこを撮影をしていると、あっ!このシーンは動画でも撮っておきたい!と思う事も多いもの。もちろんスマホでも手軽に動画撮影は出来るけど、より美しい映像を残したいと思うと物足りなさを感じますよね。
テレビや映画などで背景が大きくボケた美しい映像を目にしますが、やっぱりボケ味がキレイだとすごくお洒落に見えますし映像に引き込まれます。そんなボケ味を生かしたお洒落な動画も撮りたい!と思い今回は動画も撮ってみました。
簡単お洒落に動画が撮れる
今回少し暗めの室内で撮影しましたが、そんな事を感じさせないほどディテールまでしっかりとキレイに撮影出来ました。撮影していると、このシーンはこのレンズで撮ってみたい、あのシーンはこのレンズで撮りたい!とレンズを使い分けたくなるのですが、それを可能にしたのがこのZV-E10。普段のαシリーズで使っているレンズを、アダプター無しでそのまま取り付けられるのが嬉しいポイントです。
さて、今回は全て手持ちで撮影しました。もともと写真撮影も手持ち派の私は、動画撮影においても手持ちでどこまで手ブレが軽減できるかが重要な要素でもあります。なんといってもペットの動画撮影をする時に一番苦労するのが、手ブレとピント合わせなのです。
今まではこの2点が解消できず、撮影を断念することも多々ありました。しかし、ZV-E10搭載の手ブレ補正「アクティブモード」は手持ち動画撮影時にとても心強い味方になってくれました。さらに、別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を使えば、手元で録画のオン/オフが出来るので録画ボタンを押すときのブレを起こさず、初めから終わりまでブレの少ない動画を撮影できます。また、置いたままで撮影出来る三脚機能もあるので、愛犬のしつけトレーニングをしている様子の記録動画を撮ったり、カメラから離れて愛犬との記念撮影をしたりする時にも使えますね。
ZV-E10は「リアルタイムトラッキングAF」にも対応しているため、液晶モニターの画面をタッチしてピント合わせ、被写体を追尾させることができます。だからペットが動いてしまってピントが外れてしまった!なんて事もなく快適に撮影が出来るんです。
また、このカメラはボタンを押すと「静止画、動画、S&Q」の順に切り替えられるのですが、このS&Qモードが結構使えます。S&Qモードにするとスローモーション撮影やクイックモーション撮影が出来るようになります。ペット撮影で特にオススメなのはスローモーション撮影。高いフレームレートを選んで撮影すれば、なめらかでしっとりとしたイメージのスロー動画に仕上がります。
商品レビュー機能の使い方
ペットの動画撮影では出番が少ないかもしれませんが、便利だなと感じた機能の一つが「商品レビュー機能」です。YouTube等で良く見る商品紹介動画の映像、紹介する商品をカメラの前に近づけるシーンがありますよね。この時通常であれば人の顔の方にピントが合い続けてしまう(=商品にはピントが合わない)のですが、商品レビュー機能をONにしておけば、カメラの前に来た商品にピントが合い、商品を手元に戻すと今度はしっかりと人の方に合うという便利な機能なんです。これはわんこの手作りグッズを作られている飼い主さんにオススメな機能です。
一つだけ注意しなくてはならない点は、この商品レビュー機能がONになっている時は、リアルタイム瞳AFが作動しない事。私も、商品レビュー機能をONにしたままでなんか瞳に合わないなあ?と感じながらペット撮影をしてしまった苦い経験があるので、ペット単体を撮る時にはこの商品レビュー機能は必ずOFFにして使いましょう。
αレンズがそのまま使える!
ZV-E10はとにかく小型です。質量は約343gと持っているのを忘れてしまうくらいの小型軽量カメラなのに、センサーサイズはAPS-C。暗い場所にも強く美しいボケ味が楽しめるカメラです。先ほども言いましたが、ZV-E10はEマウントを搭載しているのでαレンズをそのまま使用出来ます。サブ機として迎え入れてあげるというのもおすすめですね。
私が愛用している70-200mmF2.8GMレンズをつけて撮影。主役のわんこはシャープに、手前と奥のコスモスはふんわりとボケています。
光量が少ない環境でも瞳のうるおいや毛の質感をしっかりと再現してくれています。わんこと背景との距離は比較的近いのですが、しっかりと背景がボケていて被写体を引き立たせていますね。
背景のボケ味の調整はF値を設定しますが、初めてカメラを使う初心者さんにはこの作業がちょっと難しいですよね。ですがこのカメラを使えば安心!F値の事が何も分からなくても簡単に背景のボケを楽しめちゃうんです。ZV-E10はシャッターボタンの後ろに背景ボケ切り替えボタンがついています。
ボタンを押すと自動的に絞りが開放になって背景が大きくぼけて、もう一度押すと絞りが絞りこまれてピントの合う奥行が広がりわんこから背景までピントが合った写真が撮れます。ペット撮影では背景を大きくぼかした写真を撮る事が多いですが、例えばお友達わんことの集合シーンを撮ろう!なんて時でも、ボタンを一つ押して背景くっきりモードにするだけ。集合した全わんこにピントが簡単に合ってくれるので楽ちんです。
また、ちょっとおもしろレンズで撮ってみるのも良いですよ。今回はE 16mm F2.8にフィッシュアイコンバーターを使って撮ってみました。
今回はわんこの顔を強調したかったので少し上からのカメラアングルで撮ってみました!わんこにぐっと近寄って撮ればこんなにおもしろい写真が撮れます。
わんことレンズの距離は25cmほど。カメラもレンズも小型なので近づきすぎてもわんこに威圧感を与えません。また、広角レンズを使用しているので地平線が半円を描くように写り普段とは違った雰囲気で撮影できました。
便利なバリアングル液晶
小型ですがバリアングル液晶モニターはしっかり搭載しています!これ、ペット撮影では頻繁に使うのでありがたいです。下の写真は猫がこちらに向かってくるシーンを、猫の目線よりもカメラを下げて地面ギリギリの位置から撮影しています。このような時もバリアングル液晶モニターがあるので撮影がものすごく楽でした。
また、最高約11コマ/秒の連写で動きの一瞬の良いポーズも逃さず捉える事ができます。これだけ高速連写であれば走りシーンの撮影でも十分です。
ローアングルから撮る事で迫力が増します。今回は目力の強い猫がこちらに向かってくる様子を狙ってみました。
ペット撮影で必須のリアルタイム瞳AF
静止画撮影では動物の瞳を自動的にとらえて追従するリアルタイム瞳AFにももちろん対応しています。今やこの画期的なAF性能が、私の中でもなくてはならない程の存在になっています。画面の中であちこち動きまわるペットは、AFエリアをワイドにしてリアルタイム瞳AFに頼るのがとても撮りやすく今回もその方法で撮っています。
元気な秋田犬子犬。目の周りが黒毛&あちこち動くのでピントが瞬時に合うかと心配でしたが、リアルタイム瞳AFでしっかりと瞳を捉え続けてくれました。広角レンズで下からあおって撮ったので、ヤシの木が内側に入り込み写真の良いアクセントになったと思います。
まとめ
動画を手軽にかっこよく、写真も高画質で美しく残せるZV-E10。レンズ交換式のAPS-Cサイズのカメラがこんなに小型軽量でこれだけの機能がぎゅっと詰まっているだけでも魅力的ですが、何よりも値段が本当に安くてびっくり!はじめてのカメラにorサブカメラにおすすめの1台です。
■写真家:小川晃代
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持し、ペットや野良猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。
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