タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー|最短撮影距離0.11mの軽量コンパクトレンズ
はじめに
2020年11月1日に創業70周年を迎えたタムロン。記念すべき70周年イヤーの最初に発売した17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDをはじめ、素晴らしい性能を持ったズームレンズの販売が直近重なっていたため、ズームレンズに引けを取らない魅力的な単焦点レンズが影を潜めがちです。今回レビューする20mm F/2.8 Di III OSD M1:2は、同時期に発表・発売した24mm F/2.8 Di III OSD M1:2と35mm F/2.8 Di III OSD M1:2の2本と合わせて巷では「タムロン3兄弟」の愛称で多くのカメラマンから愛されている一本です。スナップや風景、はたまたVlogなどを撮影するユーザーが一度は検討するであろうこのレンズをレビューしていきます。
■タムロン70周年記念サイトはこちら
製品の基本スペックと外観
まずレンズの概要についてです。基本スペックからおさらいしていきます。
基本スペック
■明るさ:F/2.8
■画角(対角画角):94°30′
<35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時>
■レンズ構成:9群10枚
■最短撮影距離:0.11m
■最大撮影倍率:1:2
■フィルター径:Φ67mm
■最大径:Φ73mm
■長さ*:64mm
■質量:220g
■絞り羽根:7枚 (円形絞り)**
■最小絞り:F/22
■標準付属品:花型フード、レンズキャップ
■対応マウント:ソニーEマウント用
* 長さ=レンズ先端からマウント面まで。
** 絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の絞り形状を保ちます。
■引用:タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 製品情報 | Eマウント | 単焦点 レンズ – TAMRON
外観
次に製品の外観をチェックしていきます。
本体は、ボタン類の一切ないシームレスなデザインを採用。ピントリングのトルクは重すぎず軽すぎない、なめらかな作りになっています。
後述しますが、本レンズの大きな特徴は驚きの軽さとコンパクトさ。iPhoneと比較すると、その小ささが伺えます。旅行やちょっとしたお出かけに連れて行く際、軽い・小さいは正義だと思います。
フィルター径はΦ67mmを採用。20mmの広角レンズでフィルターを装着できるのは画作りに最適なのではないでしょうか。タムロンはフィルター径を統一しているものが多いメーカー。ほかレンズとの互換性が高いとフィルターの数も減らせます。
標準で付属してくる花形フードのHF050は丈が短く、コンパクトなレンズ本体の外観を損なわないシンプルな作りになっています。
本製品はソニーEマウント専用の商品です。ソニーのミラーレス機は非常にコンパクトですが、これに負けないくらい小型で持ち運びやすいスタイリッシュな組み合わせになっています。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2の特徴4つ!
ここまでお話した基本スペックや外観をもとに、本レンズの特徴を4つ紹介していきます。
軽量コンパクト!共通マウント径
本製品の重量はなんとたったの220g。およそりんご1個分の重さという軽量さは、最大の特徴と言っても過言ではないです。カバンに忍ばせるには十分なコンパクトさと軽さになりますので、旅行や山登りを伴う撮影において重宝できます。
また前述したようにタムロンのレンズ群はフィルター径を統一していることが多く、フィルターの使い回しができるのも魅力の一つとなっております。
最短撮影距離0.11mのハーフマクロを実現
基本スペックで記載したとおり、本レンズは最短撮影距離が0.11m。最大撮影倍率が1:2とハーフマクロまで実現しています。引きで風景や大きい被写体を撮る目的だけでなく、寄ってテーブルフォトや花などの被写体までカバーしてくれます。
DCモーターを採用した高いAF性能
本レンズは静音性に優れたDCモーター「OSD (Optimized Silent Drive)」を採用しています。実際に触ってみて、駆動音の減少・AFの精度とスピードも大きく向上が感じられました。動きの早い被写体にもスムーズなピント合わせが期待できます。また、静寂な環境での動画撮影時は多少の駆動音は拾うものの、外で撮影する場合筆者はそれほど気になりませんでした。
特殊レンズやBBARの採用
本レンズはレンズ群にもこだわりを持っています。特殊硝材であるLDレンズやGMレンズの採用で、色収差をはじめとした諸収差を抑制しています。実際に後ほど出てくる作例を見ていただければと思いますが、一般ユースに使用する分には全く気になりませんし、RAW現像における補正ができる方は活用頂くとなお良いかと思います。
また、タムロン独自のBBAR (Broad-Band Anti-Reflection) コーティングを施し、逆光の撮影時に発生しやすいゴースト・フレアを低減していて、意図的に狙う場合を除き問題ないのかなと感じました。
その他にも各所に防滴用のシーリングを施した簡易防滴構造や、水滴・手の脂などが付いても拭き取りやすくメンテナンスが容易な防汚コートの採用など、機能が盛り沢山なレンズに仕上がっています。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2作例
最後に使用を検討している方が多いであろう、ソニーα7IIIと本レンズの組み合わせで撮影した作例をご覧ください。
最後に
レビュー内の特徴であえて記述しませんでしたが、様々な機能を搭載した本製品を含むタムロンのレンズは、なんといっても価格面でメーカー純正レンズよりもかなり低価格でお買い求めいただけます。
・標準ズームレンズとは別に、もう少し広角で撮影できるレンズが欲しい
・1本で様々な役割を担ってくれるレンズが欲しい
上記のような読者の皆様は、新たな選択肢を作ってくれる1本としてぜひ本製品を検討してみてください!