はじめに
ソニーのフルサイズミラーレスカメラ用に設計されたZEISS Loxiaレンズのラインナップから、今回は「ZEISS Loxia 2/35」のレビューをお送りします。焦点距離35mm、開放F値はF2、レンズ構成はBiogon6群9枚のマニュアルフォーカスレンズのクラシカルな描写は、身近な日常をシネマティックに表現するのにぴったりでした。
ディストーションの少ない素直で自然な写り
まず撮影して驚いたのが、35mmの画角にしてはディストーションが少ないことです。レンズ構成はほぼ対称型のBiogon。そのお陰で歪曲収差が軽減されているのでしょうが、それでもこの四隅が誇張されない、素直で自然な写り方は感動でした。間違えて50mmのレンズを持って来てしまったかと思ったほどです。
この写真はかなり日差しの強いなかで、モデルに太陽を背負ってもらい、思いっきり逆光で撮影しました。太陽が雲に隠れないタイミングを狙い、モデルの頭で太陽を少しだけ欠けさせるように構図を作っています。フレアーやゴーストが出やすい構図ですが、ゴーストは見当たらず、フレアーも軽減されています。オールドレンズのようなクラシカルな描写ではありますが、設計はデジタル用の最新型であることを強く感じました。
ポートレート・ショートムービー