ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
今年も桜季節がやってきました。私の住んでいる地域では大抵3月の終わりから咲き始め、入学式あたりまでなんとか持ちこたえる感じですが皆さんがお住まいの場所ではどうでしょうか。毎年やってはいますが今年も桜を撮る時のヒントを紹介します。
さらにお昼の真上からの光と違って夕方は低いところからのサイド光になるので立体感を感じさせる光線でもあります。逆光と順光の変化もつけやすく、楽しめる光線条件なので、もし晴天の日に桜を撮ることがあったら、夕方までねばってみましょう。
晴天のときはコントラストが強くなります。無理にやわらかい軟調な写真を撮ろうとしても、うまくいかない場合も多いのでこんなときはコントラストの強さを利用した撮り方をねらったほうがいいと思います。陰になった桜の幹などは黒く沈んだ感じに写りますから、桜を引き立てる脇役として使えます。こういうときは黒い幹はちゃんと黒く写したほうがかっこよく写ります。[作例(3)]はー0.3補正して撮っていますが、ちょっと幹の黒が締まらない感じです。これだけ黒っぽい部分が多いフレーミングだともう少し強めにマイナス補正しないと黒が黒にならないのです。[作例(4)]はー1補正しています。これだと幹が黒く再現できるので黒い背景に桜がくっきり浮かび上がります。桜の幹は黒っぽく写したほうが重みのあるどっしりしたイメージに仕上がるので、あまり中途半端な黒にはしないほうがいいと思います。
夕方の赤っぽい光を利用する
ネイチャー系の写真を撮るカメラマンは大抵朝と夕方、つまり太陽が低い時間帯をメインに撮影しています。ある有名な風景写真家の先生で早朝撮影に出かけ、お昼は撮影をせずに昼寝をし、夕方また撮影に出かける、という方がいました。これは極端な例と思いますが、お昼前後よりも朝や夕方のほうが「いい光」に出会える確率が高いのは確かです。[作例(1)]はおおよそ午後2時くらいの時間帯に撮った写真です。この日は晴天で、この時間帯の光は白色光ですから、偏りのない自然な色で再現されます。一方[作例(2)]は午後4時くらいの写真です。だいぶ太陽が低くなって光も赤っぽい色になっています。夕方の赤っぽい光はドラマチックなイメージを作りやすいので、これを利用してみました。桜のピンクが強調されて華やかな色になります