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ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー

桜の木を撮るVol.159 2014年03月21日更新

先週は晴天の日に撮る設定で青空を背景に桜の写真を撮ってみました。今回も引き続き桜を撮りたいと思います。春の短い間ですが、桜が満開になると、あちこちでピンク色の花を満載した桜の木が目立ち、「こんなところに桜の木あったんだ」などと人を楽しませてくれる花でもあります。桜の写真だけに言えることではありませんが、満足のいく写真を撮るには同じ被写体を何度も撮るのが基本です。私自身も毎年必ず撮りに行く場所があります。初めて行った場所で撮るよりも撮りやすく、きれいな桜の写真を撮ることができます。桜撮影の一歩として自分の行きやすい場所の中から桜のポイントを見つけてみましょう。

ちょっと引いて撮る

普段私が桜を撮るときは、花のアップや一枝のアップが多いのですが、今回はもうちょっと引いて写真を撮ってみました。作例1は桜の幹を中心に花をたくさんつけた様子を撮った写真です。いまひとつインパクトが弱い感じになってしまっています。この原因は作例2で赤で囲ってある部分に隙間があるからだと思います。この場合「満開」のイメージにするには隙間が目障りになっているのです。肉眼で見たときはそれほど気にならないかもしれませんが、写真にしたとき隙間があると、花の層がうすっぺらく感じてしまいます。この場合、ここにも花が入るアングルをさがすか、フレーミングを変えて撮ってみましょう

作例(1)

作例(1)

作例(2)隙間が気になる

作例(2)隙間が気になる

縦でフレーミングしてみる

この時は、アングルを変えてもなかなか隙間を埋めることができなかったので、フレーミングを変えて撮ってみました。作例3は隙間を切ってなおかつ幹を中心に桜の花を撮ってみました。木全体を撮るのとは違いますが、幹が画面に大きく入っているので、「桜の木」を撮った写真という印象になっています。やはり隙間がないほうが満開の桜の木というイメージになっているのではないでしょうか。このように余計な部分を切るために、縦位置、横位置を変えてみることも一つの方法です。1カットで終わりにせず、縦横やアングルなどいろいろ探しながら撮ってみましょう。

作例(3)縦でフレーミング

作例(3)縦でフレーミング

日向と日陰の差を利用する

桜の木を撮る場合、光の具合も大事です。以前、桜の木を引きで撮るときは、曇天よりも晴天のほうが撮りやすいという話をしました。晴天の光と影がはっきりした光線状態のほうが木の立体感を出しやすいからなのですが、今回もこの光と影の差を利用して桜の木を撮ってみましょう。作例4はやはり桜の木を大きく切り取った写真ですが、画面右側にもう一本桜の木が背景として写っています。なるべく画面全体を桜で埋めるようにしながら主役の桜の木を引き立たせるために、主役は日向、背景の桜は日陰になるようなアングルをさがしました。この光線状態のおかげで主役に露出を合わせると、背景の桜が暗く写るため、主役のほうが引き立ちます。もしこれが曇天の日だとすると、背景の桜と主役の桜の明るさやトーンが同じになってしまいます。そうなると主役をここまで引き立てることはできません。このように桜の木を撮るときは主役と背景の明暗の差を利用するのも一つの方法です。

作例(4)日向と日陰の差を使う

作例(4)日向と日陰の差を使う


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