ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
梅雨が明けて夏になると空の表情が一気にバリエーション豊かになります。地域によってさまざまな違いがあると思いますが、私の地元では夏は入道雲のように立体感とボリュームのある雲がよく見られるようになります。妹が一時沖縄に住んでいたころ「沖縄では一年中入道雲ばっかりだよ」と言って、地元に戻ってきたとき刷毛で刷いたような絹雲に感動していました。その時、そうか一年中入道雲が出るところもあるのか、と思ったものでしたが、やはり入道雲は夏のイメージです。今回は夏の雲を撮ってみましょう
夏雲は夏を表現するにはとてもよいアイテムです。被写体には特に季節感がなくても画面に夏雲を入れると夏っぽいイメージが出来上がります。作例3の自転車は砂浜に降りる階段に立てかけてあったものです。地元サーファーがよく使う、ボードを自転車に積むためのキャリアがが付いているので持ち主はおそらく波乗りに来ているのでしょう。作例3のように撮るとただ地元サーファーの自転車が写っているだけになりますが、ちょっと階段を下りて、下からあおるようにしてさらに背景に雲が入るポジションを探して撮ったのが作例4です。こうして撮るとなんとなく夏らしい写真になるのではないでしょうか。夏の雲は画面にちょっと入れるだけでも夏のイメージを盛り上げてくれます。夏雲が出ていたらぜひ活用してみてください。
作例4と同様に背景に雲を入れて撮ったのが作例5です。ビーチバレーコートのネットにかかっていた黄色いTシャツを撮りました。自転車と違って地上に置いてあるものではないので地面が写りません。その分背景の空間が大きくなるのでちょうどよい雲をフレーミングできる角度を探して撮りました。このようにかっこいい雲が出ていたら背景に利用してみましょう。主役が人物でも花でもたいていの場合は似合いの背景になってくれます。また青空と白い雲をクリアに見せるにはいつもおすすめしている逆光ではなく順光がおすすめです。そのほうが夏のはっきりした色が引き立ちます。
アップで撮るとボリューム感がでる
海辺は邪魔な建物もなく空が広く見渡せるので、空の写真を撮るには絶好のロケーションです。作例1は空を広角で撮った状態です。水平線の上に2つの入道雲があります。この右側の雲をアップにして撮ったのが作例2です。やはり大きく撮ったほうが雲にボリューム感が出ます。大きく撮れば迫力が出るのは当然なのですが、できれば地上の風景を少しでも入れたほうがいいと私は思います。地上の風景でなくても飛行機や街頭などでもいいでしょう。このように海で撮るなら船などが入ってもいいですね。どうしてかというと大きさを比較できる対象がなにかしらあったほうが雲の大きさを表現できるからです。作例2では画面の下のほうに少し水面が入っているだけですが、それでも空だけで撮るよりいいと思います。