ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
森林に続いて今週は川の写真を撮ってみました。川の水は澄んでいてとてもきれいです。きれいなものを見るととりあえず写真を撮りたくなるという人はたくさんいるのではないでしょうか。ふだんは川になじみのない人でも、夏は行楽などで川の近くに遊びに行く機会が増えます。きれいに撮るにはどんなことに気を付ければいいでしょうか。小さなヒントを紹介します。
川と言えば低速シャッターで水をぶらして撮る写真がよく見られます。川の水の一部が白い雲みたいにふわっとした感じに写っている写真です。これは流れている水をスローシャッターでぶらして泡立った部分を雲みたいに見せる方法を使っています。作例2は作例1と同じフレーミングで低速シャッターを使って撮った写真です。シャッター速度は1/10秒です。もっと低速にすればよりブレが大きくなって、白いふわっとした感じがもっとよく出るのですが、晴天の日中では低速と言ってもこのあたりが限界です。もっと低速にしたい場合はNDフィルターを使うか、もっと暗い時間帯を狙うしかありません。また、低速シャッターを使うときは必ず三脚を使いましょう。ブレを利用した写真を撮るときはブレないものを一緒に画面に入れるほうが効果的なのですが、低速シャッターになると三脚なしでは手ぶれが防ぎきれません。面倒ですが必ず三脚を用意しましょう。
よく見ると水の流れはいろいろなところでおもしろいパターンを作っています。小さなパターンをアップで撮ってみるのも面白いと思います。作例3は岩の上に水が作った縞模様と太陽の光の反射が水の上で作る模様を一緒に撮った写真です。光の反射の模様はある程度低速シャッターでないと撮れないので、1/20秒で撮りました。小さな流れもよく観察すると意外に楽しいモノを発見することができます。
川の水はきれいですが部分的に流れのパターンなどをアップで撮っていると「なんか色が寂しいな」という印象の写真ばかりになってしまいました。水は無色透明ですし(ある程度深さがあればきれいな青い色になりますが)岩も微妙なトーンがあるものの、それほど色鮮やかな被写体ではありません。夏であれば周りの緑を入れで色を添えるといいと思います。紅葉の時期であれば紅葉もいいですし、川岸に花があればとてもいいと思います。こういった川辺の被写体を一緒に入れて写真に色を添えてみましょう(作例4)。
高速シャッターで水の流れを止めたように写す
作例1は岩の間を流れる水を1/1250秒の高速シャッターで撮った写真です。肉眼では見えない水の流れ落ちる一瞬を止めたような写真です。見た目ではこんな様子は見られません。撮ってみて「あら、あの水こんなふうに流れてるの?」と思うくらいです。高速シャッターを使うと肉眼では見られない水の一瞬の表情を写し取ることができます。水の流れる速さにもよりますが、最低でも1/1000秒以上の高速シャッターを使いましょう。予測できない写真が撮れるのも結構楽しいものです。