ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
今年も運動会の季節がやってきました。毎年子供の運動会は撮りに行っているのですが、それもあと何年かだろうな、と思うと寂しい気もします。私の地元では運動会は10月の上旬から中旬の土日に集中しており、カメラマンが足りなくなるため、仕事と重ならないかと毎年ヒヤヒヤしています。今回は運動会を撮影するとき、徒競走などをかっこよく撮るヒントを紹介します。
このようなとき便利なのがAFエリアモードの一つ、3Dトラッキングです。これは一度ピントを合わせるとその周辺の色をカメラが記憶して、被写体が最初のAFエリアから外れてもほかのAFエリアを使って被写体にピントを合わせ続けてくれるという機能です。たとえば作例1は中央のAFエリアを選択していたのに、とっさに二人の子供を画面に入れようとして中抜けになってしまった例です。しかしAFエリアモードを3Dトラッキングにしておけば子供が中央のAFエリアから外れても子供が移動した先にあるAFエリアを使ってピントを合わせ続けてくれます。(作例2)
運動会では競争だけでなく演技種目もあります。演技種目の場合、撮りたい子供がどのへんでどちらを向いて演技するのかなどポジションの確認をあらかじめしておいて、撮りやすい場所の検討をつけておきましょう。また、作例3のようにピントを浅くして前後の子供ぼかすように撮ると、一人の子供が写真の主役になっていることがはっきりわかります。できれば絞りを開けてアップで撮るなど工夫して主役感を出すといいでしょう。
作例4はゴール少し手前で撮った写真です。この時この子供は3着だったのですが、走っている途中で「あ~これは1着は無理だな」と思ったので、ゴールテープが切られる前に自分の子供とその後ろを走る子供だけをフレーミングしてシャッターを切りました。こう撮れば写真だけは「まるで1着みたい」に撮ることができます。この時気を付けるのは後ろを走る子供だけをフレーミングに入れることで、先を走っている子は画面から切ることです。フレーミングによっていろいろ撮れますので状況によって工夫して撮ってみましょう。
AFエリアを選択する方法だと中抜けになることがある
運動会の写真の撮り方を取り上げたときはAF-Cをお勧めすることが多いのですが、この時3Dトラッキングを使うと、動く被写体によりピント合わせがしやすくなります。AFエリアを自分で選択して使うモードで撮影していると動きのある被写体の場合、選んだAFエリアから被写体が外れてしまうこということがあります。そうするとピントを合わせたい被写体ではなくAFエリアが重なっている背景などにピントが合ってしまうことがあります。ようするにAFエリアに合わせて被写体を追いかけるのが難しい場合、ちゃんと被写体を追っておいたつもりが追い切れず、被写体でなく背景にピントが合ってしまったときのシャッターを切ってしまうと作例1のように中抜けの写真になってしまう、ということが起こります。