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クリスマスの小物を撮るVol.247 2015年12月04日更新

12月に入ると一気に街がクリスマスっぽい雰囲気になってきます。私が毎年クリスマスの写真を撮りに行っている洋館でも12月から飾り付けが始まるので、今年はなんとかギリギリにならないように「今年こそは余裕を持って撮りに行くぞ」と思っているところです。私は飾り付けられたお部屋の全体も撮りますが、気に入った一部分をアップにして撮る写真が多いので、今回は一部を切り取るときのとり方をお話ししようと思います。

まずは主役を探す

クリスマスの飾り付けはどれもきれいですが、まずは部屋全体の中からアップにして撮れるような主役を探します。中にはこれいいな、と思うような小物があっても背景や光がどうにもならなくて撮りにくいものもあります。とりあえずアングルを探してなるべくきれいに撮れるように工夫てみましょう。作例1は外国のクリスマスをイメージした飾り付けの部屋です。たしかスイスのクリスマスだったかな?とりあえずこの部屋全体の中でメインになりそうなのは中央のテーブルの上に並べられたティーセットです。後は窓辺の飾りもいけそうです。

作例1 部屋全体

作例1 部屋全体

主役を決めたら光と背景を考える

まずはテーブルのほうから撮ることにします。テーブルに飾ってあるリーズは窓側(左側)に白いローソクと赤い大きな花があしらわれています。こちら側をアップにするとどうしても窓からの光が順光になってしまうため、「ちょっと光がなあ」と思い、反対側のトナカイを主役にして撮ることにしました。まずはちょっと窓と反対側に移動して縦で切り取ってみたのが作例2です。赤いクッションののった椅子も背景に入れて背景全体が赤い色になるようにしてクリスマスっぽいイメージになるようにしました。次にもっと寄ってトナカイだけアップにしたのが作例3です。これはトナカイの正面にまわって撮ったので逆光になります。すりガラスのトナカイなので逆光で暗い背景がいいな、と思って移動したのですが、窓からの逆光がフレアになってしまいました。そこでちょっとハレ切り(庇みたいにレンズに当たる光をさえぎる)をしてフレアが出ないようにして撮ったのが作例4です。一つのものを撮るときも一枚で終わりにせずいろいろ撮ると写真のバリエーションが豊かになります。

作例2 ガラスのトナカイを主役に

作例2 ガラスのトナカイを主役に

作例3 トナカイを正面から撮る

作例3 トナカイを正面から撮る

作例4 ハレ切りをしてフレアを防ぐ

作例4 ハレ切りをしてフレアを防ぐ

一緒に写るものを画面のどこにれるか

別の洋館に移動してツリーのあるコーナーを見つけました(作例5)。部屋全体に明るく光が回っているのであまり光の向きによる変化はなさそうです。まずはテーブルの上のプレゼントをアップにして、画面左側にツリーのすそを入れてみました。ピントはプレゼントに合わせて、ツリーはボケにすれば主役がはっきりします(作例6)。次にちょっと左に移動して今度は画面からツリーをきって、グラスに盛られたツリー型のお菓子と一緒に撮ってみました(作例7)。このままだと空いた空間が中途半端だなあ、と思ったので縦にして撮ったのが作例8です。お菓子が縦長の形なので、縦位置で撮ったほうが違和感なく画面におさまります。このように、主役が同じものであっても背景や脇役として画面に入るものがどこにどのように入ってくるかが結構写真の印象を左右します。光も大事ですが、主役以外のものもどこにどれくらいの大きさで入れるのかを計算するつもりでよく見て撮影すると、写真のイメージがよくなります。

作例5 部屋のコーナー=

作例5 部屋のコーナー

作例6 プレゼントをアップにしてツリーを背景に

作例6 プレゼントをアップにしてツリーを背景に

作例7 左に移動して撮る

作例7 左に移動して撮る

作例8 縦位置に変えてみる

作例8 縦位置に変えてみる


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