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タケノコを撮るVol.264 2016年04月08日更新

ずいぶん前ですが、父の知り合いで定年退職後に農業を始めた方がいました。畑のある場所が里山のような場所で良いところだから一度どうぞ、と言われてカメラを持って撮りに行ったことがあります。行ってみると裏山に竹林があり風情のある場所で、竹林に入ってみるとタケノコがたくさん頭を覗かせていました。そういえばタケノコも春を告げる風物詩です。今回はその時撮ったタケノコの作例を使って、タケノコの写真を撮るときのコツを紹介します。

竹林は暗いのでブレに注意

竹林の中はけっこう暗いです。この時は天気もよく昼間だったので普通の日中屋外であれば、それほど低速シャッターが必要な明るさではありません。しかし、竹は一年中葉を落とさず、しかも結構な密度で生えていますから竹林の中はけっこう暗いと思っていてください。作例1はISO感度160で撮りました。絞りはF2.8の設定ですから日向なら手ぶれするようなシャッター速度にはなりません。しかし、この時はシャッター速度が1/50秒になってしまいました。200ミリの望遠ですから、このままだと手ぶれ補正などが無ければかなり手ぶれしやすい状況です。このような場合はISO感度を高く設定するか三脚を使うなどして手ぶれを防ぎましょう。

作例1 低速シャッターだとぶれる

作例1 低速シャッターだとぶれる

ハイアングルよりローアングル

タケノコは地面に直接生えている被写体ですし、背も低いので立ったまま撮ると見下ろすような角度になります。そうすると自動的に手前も背景も地面ばかりになります。もちろん意図的にそういう撮り方をすることもあると思いますが、中途半端なハイアングルから撮るよりはカメラを低い高さから構えてローアングルで撮ったほうが、同じ地面が写っているにしても前後をぼかすことができるので、主役のタケノコを引き立たせることができます。(作例2:ハイアングル)

作例2 ハイアングル

作例2 ハイアングル

前ボケのかぶり方に注意

作例3と4は竹林の外側の端に生えていたタケノコです。竹林の中はほとんど日が差さないためか下に草が生えていなくて色が寂しかったのですが、このタケノコの生えている場所には下に明るい緑の草が生えていました。また、タケノコの隣にスミレの花が咲いていたので、これも一緒に撮れば春らしいイメージになるので、ちょうどいいと思ったからです。逆光で緑の下草を明るく見せるため竹林の中側からローアングルで撮りました。手前の草を前ボケにして入れればふわっとした明るいボケになると思い、前ボケが重なるように入れてみたのが作例3です。しかしこのままだと前ボケがタケノコにかぶりすぎて前ボケが邪魔な印象になってしまいます。そこで、前ボケがタケノコにかぶらないように横に移動して調整したのが作例4です。このほうが、緑の明るいボケの中にスミレの花とタケノコを入れることができるので春らしいイメージの写真になっています。前ボケを入れるときは、どの程度のボケにするかという事と、主役との重なり具合が大事です。いろいろ試してみて適切なイメージになるように工夫しましょう。

作例3 前ボケがかぶりすぎ

作例3 前ボケがかぶりすぎ

作例4 前ボケとの重なりを考える

作例4 前ボケとの重なりを考える



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