ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
私の母の趣味はガーデニングなので春になると実家の庭にはいろいろな花が咲きます。花の命は短い、と言います。確かに花がきれいに咲いている期間は意外と短くて種類にもよりますが見ごろは3日間くらいと言う場合もあります。桜のようにすぐに散る花の場合はわかりやすいのですが、咲いてちょっとすると花びらの縁が枯れてきたり、質感がしなっとしてしまうこともよくあります。母から「今きれいだから撮りに来て」と言われることがよくあります。お友達に見せたいけどそのお友達が来るまで花が持たないからせめて写真だけでも、というつもりのようです。今回は庭で花を撮ってみましょう。
花の写真を撮った時にあとで写真を見て、「なんかイマイチ」と思ったことはありませんか。私はあります。特に引きで撮った写真がいまひとつだった原因のひとつは私の場合、葉のテカリがうるさいことでした。葉に光が反射したとき、とくにツルッとした質感の葉は白く写ります。これが写真のなかでうるさい感じになってしまうことがよくあります。このようなときはPLフィルターがあると便利です。作例2は普通に撮った写真です。葉の表面に反射した光が白く写るので写真の中でこの部分がハイライトになってしまいます。ハイライトは写真の中で意外と目立ちます。ただの白い部分と思いがちですがこのハイライトが目立ってしまうため花が引き立たないということはよくあります。
このような時はPLフィルターが便利です。PLフィルターは反射光を抑える効果があるので葉のテカリをおさえることができます。作例3はPLフィルターを使って作例2と同じ花を撮った写真です。作例2では画面中央部の花の後ろにあるテカリが特に強い反射になっていますが、作例3ではこの部分の葉のテカリが抑えられて葉の緑色がきれいに写っています。一見、日が陰ったときに撮ったように見えるかもしれませんが天気の状況も作例2と全く変わっていません。画面右下の葉に影が落ちているのがわかるので日が当たっていることがわかると思います。普通PLフィルターというと空を青く写すためとか風景の人が使う道具だという印象があるかもしれません。確かに今回の主役である花自体にはPLフィルターが必要なことは少ないのですが、花に葉はつきものです。葉のテカリをおさえるためと考えればPLフィルターはちょっとお高めのアクセサリーですがやはり持っていると便利です。
全体を撮るときは傾きに注意
ガーデニングをする人は咲いたときのデザインを工夫して花を植えるので咲いたときの全体の写真を撮ってもらいたいようです。全部がきれいに咲いているタイミングは本当に短いので私がきれいなところを選んで切り取って撮っていると「全体も撮っておいて」とよく言われます。作例1はウッドフェンスにはわせたバラです。(実家ではありませんが)このような写真を撮るときはまずは水平が傾かないように注意しましょう。直線的な物が入っている場合画面が傾いていると思いのほか、かっこ悪い写りになってしまいます。また、日の当たり方も日向と日陰がまだらになっていると、きれいに撮れません。できれば光の状態が均一に(日陰なら全部日陰、日向なら全体に日が当たっている)なる時間帯を狙いましょう。