修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2007.11.05
今回のクランケは、ミノルタCLEでモルト(遮光スポンジ)劣化で手元に届いたが、検査するとファインダーカビの複合である。
表題を「忍び寄る化学反応」か「飛蚊症のファインダー」か、迷うところである。
レンジファインダーは1と2の経路により三角測量をして距離を測るのである。
通常は接眼部からしか覗かないと思う。
中古の買い取り時は、ファインダー内にカビやクモリが無いかを確認しなければいけない。
その為、明るい所で目を離し1を覗く事が肝要であり、必須条件であることを忘れない事にしよう。
購入するときもしかりである。
拡大画像で解説するが、今回は、摺動レンズ(上下調整)に飛蚊症(カビ)がある。
レンズ取り付け側より覗かなければ発見ができなかった。
見過ごせばカビは繁殖し、他のミラーやレンズ・プリズムに転移し、取り返しのつかなく恐れが出てくる。
光学ミラーは、表面蒸着されておりますので常に腐食の危機にさらされており、蒸着を侵されると効果がなくなりますよ!!
加水分解の症状を示したモルト(遮光スポンジ)は怖いですね!
裏蓋のモルトが本体に転写してますね!そして、剥がれ落ちたモルトがスプール室に落ち汚染します。
モルト交換は簡単のように思われがちですが、加水分解したモルトの処理は意外と時間が掛かるものですヨ。
この様な状況で使用しますとフィルムのベース面にも付いてしまい、大事な写真が台無しとなりますので、モルトを押して弾力がなければ賞味期限切れです。
カメラが腹痛を起こす前に早めの交換を致しましょう。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。