修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.06.10
大口径レンズを頼まれるのは良いが人間万力に限度があるのです。道具を使えば、になりますが身近に見あたらない。修理部時代であれば若いのに任せられるのに、と考えちゃいます。
ヘリコイドを繰り出し外観を観察します。糸口はありませんでした。では、銘板を外すのか?と考えましたが、前レンズを止めているだけの様です。
過去のTakumarに前玉群がそっくり外れる仕様があったのを思い出し、エイヤーとばかり捻ってみたのです。外れました。掴む道具があれば何でもないことですね!奥歯に負担が掛かります。これ以上、前部から外せないようです。
搦め手に移り遮光枠を外してみました。後玉群も外してみました。
3本のネジが見えます。他に絞り機構部に辿り着く方法が無いようです。
3本のネジを外せばよいとの不確定要素の場合、ネジを完全に外してはなりません。僅かな確率で間違いかも知れないからです。3本のネジを緩めてみました。絞り機構部全体がガタガタ動きます。絞り機構部を押さえ全体を揺すります。他に外れた部品がありません。
絞り機構部が外れました。油分の湿潤に見舞われています。絞り値連絡板を外します。
絞り羽根室の側面に絞り羽根押さえ環を止めている3本のネジがありました。
ネジ切り位置は120度の三分割の均等になっていますから、組み込み位置は無いようです。念のため鉛筆で罫書きを入れてから外します。
裏面に戻り、3本のネジを外します。
絞り羽根室から絞り作動環が分離されます。
此方の方にも毛細管現象で油分の湿潤が見られます。良く洗浄して完成した次第です。
中判レンズは35mmレンズに比べますと簡素な作りですね!唯、大きな部品には閉口する場面があります。
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