修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.08.05
機械式の民具は、何時までも人気があります。道具を使いこなす楽しみなのでしょうか?
1976年発売ですから半世紀になるのですね!丁度グアム赴任時代で海外代理店向けの技術講習が板橋区前野町の木造事業所でありました。講義は英語。元々、写真機の部品名称は英語でしたので、それ程、苦労はしませんでした。
帰国後は担当違いとなり、久し振りに手を入れることになります。
外観からは判りませんが、内部に遮光用のモルトが使われており、加水分解したモルトが剥離落下して悪さを致します。
ファインダー内に秒時が見える仕様になっています。と言うことは分解に注意が必要になります。
シャターダイアルから表示フィルムを動かすタングステンロープが張ってあるのです。
もし、表示フィルムが変化しない場合はロープが絡まっているか?切断されている可能性があります。変化しない場合は、無闇にシャターダイアルを動かさず分解して問題点を確認しましょう。
メイン基板を外しますと巻き戻し側に表示フィルムと連動する機構が見えます。
ミラーBOXに取り付けられた表示フィルムと本体側にある連動機構部の咬合を外さなければなりません。
赤○注のネジはミラーBOXを分離する際表示フィルムを傷つけますので外しておきます。
固定ネジを緩め偏芯ネジ(1)を廻し、咬合歯車を表示フィルム歯車から逃がします。
後は、接続されているリード線を外せばミラーBOXが分離出来ます。
ミラーBOXを取り付ける前に前処置をしておきます。
逆ネジを緩め偏芯ネジを廻し滑車の位置を右側の移動させておきます。
何故ずらすかと申しますと、ミラーBOXに取り付けられている表示フィルムと咬合歯車を咬合させたときにズレが生じます。
咬合歯車と表示フィルムを咬合させましても若干ズレが生じます。
滑車の位置を右側にずらすことで位置調整のマージンを最大にすることなのです。
(注)咬合歯車と表示フィルムをさせてシャターダイアルを廻し往復運動をさせ表示フィルムが等分に変化するかを確認します。途中で動きが悪い場合は咬合歯車の咬合量で調節します。
表示フィルムの動きに問題がなければ、逆ネジを緩め偏芯ネジを廻し滑車の位置をずらしますと表示フィルムが動き適正な位置になります。
シャターダイアルを廻し、動作に問題が無いかを再確認します。問題が生じた場合は、最初から繰り返します。
メイン基板を取り付けましたら、LED点灯位置調整をします。
LED点灯部を止めている2本のネジを若干緩め上下・左右に動かしファインダー内のLEDが満月になる位置を見つけます。下弦・上弦の月にならないようにします。
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