修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.09.02
プリセット絞り仕様のレンズである。自動絞り機構より構造は簡易であるが、絞り羽根の組み込みに苦労するようです。
締付座を外すとヘリコイド部と鏡筒部に分離します。
ヘリコイドのグリス交換をするには、距離環を固定している3本のネジを外していきます。
レンズマウント側より直進キーを外します。
1)(画像1)より制限ネジを外します。
2)(画像2)より、内ヘリコイドを少し繰り出します。
(内ヘリコイドの位置によりましては中ヘリコイドを終端位置にした場合誤差が出るからです)
3)中ヘリコイドを反時計方向に繰り入れ終端位置に印を付けます。
4)終端位置に印を付けたら、時計方向に回し外ヘリコイドと分離します。
画像で両者は分離していませんが、両者の分離された位置に印を付けます。
スポンジにベンジンを含ませ線条を清掃します。
清掃が終わりましたら、グリスを塗布して組み立てます。
1) 社名環をグムアダプターで外し、前レンズを外します。
2) 後レンズを外します。
3) 調整ワシャーは、痛めないために外します。
絞り値開閉環を止めている3本のネジを外し分離します。3本のネジの内、1本は長く生っています。
長いネジは制限ネジと絞り値環の間(2本の赤点線)に入ります。
この足の長いネジにより、絞り値環を動かします。
開放から最小絞りにする時は絞り値環のクリックが効きます。絞り値環を最小絞りにして絞り値開閉環で絞り値を制御しようとするとクリックが働きませんから慣れが必要ですね!この辺は道具を使いこなす喜となります。
絞り値作動軸を外します。
Cリングを外し、絞り作動環を外しますと絞り羽根の洗浄が出来ます。
油分の湿潤で張り付いた絞り羽根は、変形を防ぐためにスライドさせて各々を分離します。
絞り羽根のダボが取り付けてある形状に違いがありますので上下を間違わないよう気を付けます。
フィルムケースを台として絞り作動環を置き、絞り羽根を並べていきます。
絞り値作動環にある絞り値作動軸のネジ穴を鏡筒側の開放絞り値と合わせて鏡筒を被せます。
被せたら両者を押さえながらレンズマウント側を下にします。
フィルムケースを取り去り、絞り作動環をスイングさせて鏡筒側のダボ穴に納めます。
プリセット絞りの組み込みは、この様に作業すると楽に組み込むことが出来ます。
但し、絞り羽根の形状によっては当てはまらない場合があります。
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