修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.09.09
荒川に突き当たる手前に雑木林があり、蕎麦屋が有る雰囲気では無かった。気持ち車を進め、左を覗きこむと棟門に掲げられた看板に蕎麦「阿き津」の文字が見えた。
奥に庭園を配し、右側には荒川の中流域が望める騒音と縁遠い静かな場所である。
後に写真を複写させていただきました秋のお店です。ドウダンツツジとモミジが鮮やかに色づき座敷を望みます。四季の移り変わりを肴に蕎麦前の日本酒をかたむける。至福の時を過ごせる。紅葉の時期に再び訪れたいとも思う。新緑の庭も捨てがたいであろう。
座敷からは人工構築物を排除した荒川を望むことが出来る。
黒七味に黒文字の楊枝。何気に置いてある黒文字の楊枝が嬉しい。それだけで御主人の趣味の良さが伝わってくる。新潟の蕎麦は七味で味わうようですが、黒七味は山椒の香りが強い。一見蕎麦には不向きに思うが、この時期なら味わうのも乙なものである。
是非味わいたかったのが揚げ蕎麦掻き。豆腐で言えば厚揚げであろうか。
器も揚げ蕎麦掻きを琵琶の胴部に見立てたのか?箸で切り分ける際に奏でる音は、琵琶の弦が弾かれた錯覚に陥る。料理に合わせた器は楽しみの一つでもある。
箸休めの素揚げのシシトウ。配色の良さもさることながら味覚をリセットしてくれる。
熱いうちにお召し上がり下さいとのこと。もじもじしていると汁を吸ってサクサク感が無くなるのでは。。。と思う。揚げ皮に汁が絡み、モチモチ蕎麦掻きが口の中で混ざり合う。忘れてはいけないのが揚げ皮の存在だ!香ばしくサクサクと音を奏でて三位一体となる。本来なら日本酒を傾けてが、良いのであろう。旨かった。
蕎麦は、からみ蕎麦を註文。二八との事。黒七味を好みで落とし味わうようである。
御主人(蛭子さん似)が、この時期蕎麦も辛み大根も端境期ですまなそうであった。
蕎麦の修行は片倉さんの息子さんが営む足利一茶庵。
蕎麦打ちは腰に来ますね!と話すと肩に来るのだと言う。名人は肩がボロボロのようです。
奥を垣間見れるもう一つの座敷。次回はゆっくりとこの席に座りたい。
予報通り午後は大雨。物凄い降りである。傘など役に立たない。裾がびしょ濡れとなる。
そして、上野迄追いかけてきたのである。一両目は雨漏りがしていますので御注意下さいと車内放送が流れる。電車も雨漏りがするのか?不思議な光景には立ち会わなかった。
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