修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.11.11
ブロニーの二眼レフは大げさすぎる。手の中に収まるベスト版フィルムを使う民具は可愛いすぎる。更に人気のZunowレンズを搭載している希少民具で保存状態も良すぎる。
二眼レフの定石としてエプロンの擬皮を剥がしてみる。なにせ時を経た擬皮は硬化している恐れがあり、剣呑でもある。幸いかな、柔軟性を保持していた。
エプロンを止めている4本のネジを外してみたが外れない。
エプロンを少し持ち上げると、レリーズロックが浮き上がらない。外さないとダメみたい。
でも、貼り板を如何に剥がすかであり、無理に剥がすと傷や変形に繋がる。
綺麗に剥がすには、接着剤の溶剤であるケトン(エチル・メチル・ケトン)を張り板の上に小盛り塗布して暫く待ちます。待った後、縫い針の先端で緩んだかの確認をする。張り板が緩んでいなければ、再度ケトンを山盛り塗布する。
レリーズロックを外せた事でエプロンが外せた。組み込は、シャター速度・絞りの値とエプロン側の値を同じくして組み込む。
フィルム室側から遮光枠(接着されている)を外し、後レンズ・固定環を外す事でシャターを本体から外すことが出来た。
所が、硬化したシンクロリード線の被膜が痛んでいる(赤○部)。
ヘリコイドを繰り出したりした際に摺れたのであろう。
困ったことに痛んだシンクロリード線をシャター側で外せない。
慎重に側面の擬皮を剥がすと、貼り板に取り付けられたシンクロターミナルに直接繋がっていた。交換するに当たりガイドリード線を取り付けてからハンダ箇所を切り離す。
ガイドリード線を使う手法は、元のリード線を通す際、余分に分解するのを避ける為です
コパル製(現電産コパル)シャターは、シャターチャージの仕様に違いがあるが、機構に大きな違いがありませんでした。主原因の秒時変化せず、は減速歯車組み品の動作不具合であり、洗浄・注油をするとサクサク動きだす。
シンクロリード線はシャター後室の側壁に取り付けられた端子へと繋がっている。
絶縁されているネジを外すと端子が外れる。外したシンクロリード線には複数個所の被膜の痛みがあった。このような状況では、時により痺れてしまう。
小さな端子に新たなリード線をハンダ付けする方法として端子ネジ穴にピンセットを差し込み、台として木片を利用する事で熱の放散を最小限にする。
この後、依頼箇所以外にヘリコイドグリスの固着が始まっていた。ヘリコイドか!!外したくないね!暫し熟考して外すことにしました。洗浄後、新しいグリスは心地よい繰り出しをもたらしました。
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