修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.11.18
6月18日に播種した津久井在来大豆が実りの季節となり、鞘の中で楕円だった豆が寒さに耐えるべく丸くなりました。
エンジンカッターで恵みをもたらしました大地と切り離します。切り離しました枝を集め脱穀機に掛け大豆のみを選別します。
隠居人は脱穀機を体験してみました。注意しながら枝を脱穀機に送り込みます。
送り込まれた枝は粉砕され、閉じた鞘を開き、大豆は回収袋へ、枝や葉は風圧により機外へと吹き飛ばすのです。枯れた葉が粉砕されますので粉塵の中での3K状態です。
収穫された大豆は粒選別機に掛けます。脱穀されたままの大豆には枝の破片や未成熟豆・虫食い豆が混ざっている状態です。傾斜のあるベルトは回転しています。成熟した大豆はベルトの回転に負けずに転がり落ちて来ますね!まるで大豆が踊っているように見えます。枝の破片や虫食い豆は踊ることが出来ずベルトの回転に負けて運ばれてしまうのです。
粒選別機がどの様に粒の大きさを決めているのかは分かりませんが、大・中・小に分けられ、それぞれの出口から出てきます。
桧原村での蕎麦の選別は、時代物の唐箕(とうみ)で行います。超アナログ的な農機具で風車を回し蕎麦の実が飛ばされる距離で実の大きさと不要物とを選別しますが、風車を回す塩梅が難しい。強く回すと残るべき実まで飛ばしてしまいます。弱いと不要物が分けられない。毎年、船頭多くして舟が前に進むようです。
根小屋での夏蕎麦は配当無しに終わりました。でも、めげずに秋蕎麦に実りを託したのです。草丈も程良い高さ。花付きも良いようです。
ナスなら万に一つの無駄が無く実が成りますが、蕎麦は厄介な作物で花が咲いたから結実するとは限らないからです。花には長柱花と短柱花(雄しべより雌しべが長いか、短いか)があり、長・長どうし短・短の花粉では受粉せず、長・短の花粉の組み合わせでないと結実しないのです。オマケに自家受粉せず虫媒に頼らなくてはならない他人任せの作物なのです。
一見、沢山実になっているように見えますね!でも、実を触ってみますと中身が無い物(不稔状態)があります。ま~ぁ。冷害に遭ったお米のようですね!蕎麦の結実率は10~20%と効率が悪い。反当たりを比較すると米600Kg・麦350Kgですが、蕎麦は90Kg程にしかなりません。画像の実は沢山受粉したように見えても計算上、5~6粒しか完全受粉していないことになります。
触って固い実を剥いてみました。完全受粉して胚乳が育っていました。
成熟して黒褐色になりますと収穫して蕎麦粉に挽かれます。
作業が終わりました頃は黄昏れてしまいました。群青色に染まりました空は冬の訪れを告げようとする物悲しささえ感じます。
頂きました新豆ですが、収穫したてで選別されていません。自宅で風呂敷残業になりコツコツと一人で選別。良品が2Kgでした。暫く乾燥させ虫食いを避けるのにペットボトルで保管します。
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