修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.02.10
若干、グリスの経年変化が見られ回転が重い。現役時代の経験は無いが、分解に当たり、この時代の設計思想はまともであろうと思う。電気のサイクルの違いか?製造元によっては悩まされる事があるのです。
最短距離に繰り出すと前枠を止めている3本のネジが顔を出します。
ネジを外し、前枠を分離して前レンズ群を外します。
鏡筒は、4本のネジでヘリコイド部に固定されていますから、分離します。
バヨネット部の4本ネジを外し、分離します。
絞り値環を外しますが、クリックの鋼球ありで打ち上げ花火に注意します。
鋼球バネの紛失にも注意が必要です。
バヨネット台座を固定している4本のネジを外し、分離します。
ヘリコイドを無限位置にして距離環を止めている4本のネジを外します。
被写界深度環に合わせて外・中・内ヘリコイドに基本となる卦書き線(赤実線)を引きます。
両直進キーを外します。取り付ける際は、ヘリコイドの回転状態を確かめながら直進キーを取り付けていきます。
直進キーが外された事によりヘリコイドは自由に回転しますが、分離してはいけないのです。無限位置の基本卦書きを引いてありますが、組み込み十分条件ではないのです
中ヘリコイドを送り込み外ヘリコイドと重なった位置が終端位置となり卦書(赤点線)を入れます。此度のヘリコイドは、無限位置から1回転と少々で終端位置となりました。
次に中・内ヘリコイドの関係になります。構造上、内ヘリコイダは手前にしか抜けませんので内ヘリコイドを送り込んで終端位置にして卦書き(赤点線)を引きます。
各々のヘリコイドの終端位置が確定し必要十分条件を満たしましたので分離・洗浄が出来ます。
ヘリコイドグリスを洗浄する方法が二通りあります。器に洗浄液(ベンジン)を満たしブラシで洗浄する方法。この方法ですと、洗浄液の量を多く使用しますし、一回で汚れてしまいます。処分にも困りますね!
エコな方法としてスポンジを使用します。スポンジにベンジンを湿らせ線条を拭っていきます。線条の奥まで気持ちの良い程綺麗になります。
残るはグリスを選択塗布して組み込むだけとなりました。
とかくグリス交換は面倒ですが、ヘリコイドを分離する前に位置の確認をしておくことです。基本位置と終端位置の確認さえしておけば元の状態に戻せる事が可能になります。
組み込み終わりましたら本体に取付、若干の無限位置を修正すれば完成となります。
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