修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.03.02
大変だ!大変だ!持病の絞り羽根が張り付いちゃったよ!
張り付きを防ぐワクチンなどありませんかね?人も年をとると具合が悪くなるから。。。経年変化だから仕方が無いよ!良い機会だから、腑分けをしてゆっくりと温泉(洗浄)でも浸り積年の汚れを流しましょうか?
化粧環・前群レンズと外していきます。
ヘリコイド部のマウント側から締付環を外しますと、ヘリコイド部と鏡筒部に分かれます。
ヘリコイド部と鏡筒部の間に個体固有の調整リングがあり、紛失や組み込み忘れに注意します。
後群レンズを外します。
クリックバネ・セットネジを外します。
締付環を外し、絞り値環を分離します。
クリックバネの穴に取り付けてある鋼球は絞りクリックの役目をしています。
外す際や組み込む際に鋼球の打ち上げや紛失に注意します。
絞り値軸ネジを外します。
絞り値作動環を押さえている押さえバネを外します。
絞り作動環の中にゴムアダプターを差し込み、上下を逆さまにし、後群レンズ側から軽く叩きますと分離します。
鏡筒部と絞り値作動環の滑走面を洗浄してしまうと滑走にギコチなさが出てしまいます。
余分な油分を拭き取るぐらいが良いですね!
ピンセットで摘まみましても離れようとしないほど張り付いています。
張り付いている絞り羽根は、変形させないよう横に滑らすように分離をします。
手前に剥がそうとしますと、変形する場合があるので必ず横に滑らせせる事が重要です。
注意深く一枚一枚、絞り羽根をベンジンで洗浄します。
組み込む際、絞り羽根の形状に表裏があります。画像の絞り羽根形状は、裏側に当たり、絞り値作動環側になりますね!
兎角、プリセット絞りは組み込みづらいものですが、洗練された設計になっています。
一般的に説計理論・製造理論が優先され販売後の論理は考えないようです。
形あるものは壊れるが世の常。修理をし易いのは製造も楽で余分なコストの削減になると思います。正にシンプルISベストなのです。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。