修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.06.01
締付環を力任せに外そうとしたのですが、頑として緩みません。
接着でもされているのか?最初、中ヘリコイドと締付環の間にピンセットでシンナーを挿しこんで時間を置いたのです。でも、緩まない。腱鞘炎になりそうです。まさかエポキシ系の接着剤では無いでしょうね?両者の隙間が無いので届かないのか?
ダメもとで注射針が射しこめる場所からシンナーを注入して待つ事にしました。
外れました。塗料を接着剤に流用していたのです。更に締付環を迎え入れる鏡筒部のネジ切りが内側に切ってあり、クランク状の仕様になっていたのです。 これでは、注射器を使用しなければ溶剤を送り込めないですね!
社名環も頑として緩みません。此処にも緩み防止として塗料を使用しているのか?
時代背景から、社名環の素材が金属と推測するのですが。。。
プラスティクですとシンナーを流しこめません。塗料を使用しているなら金属であるとの結論に至りました。
結果良しで金属でした。
前・後群レンズを外す事が出来ます。
ヘリコイドグリスの経年変化で回転ムラを起こしています。
ヘリコイド作動環を外してみました。
ヘリコイドに見慣れない部品が取り付けられており、メモ的に卦書きを入れました。
でも、役割は?となります。
距離表示環にセットネジがあります。このネジを緩めるのは躊躇いました。
首を傾げながら考えた役割は、無限制限板でした。
無限制限板を外した事で締付環を緩める事が出来、内ヘリコイドを外す事が出来ます。
内ヘリコイドと中ヘリコイドは滑空仕様になっていました。
内ヘリコイドを分離した事で中ヘリコイドは自由に回転します。
両者を分離するに当たり、残るは、中・外ヘリコイドの関係だけになります。
無限位置から中ヘリコイドを時計方向に回転させますと終端位置になります。
終端位置が決まった事で両者の関係が分かり、組み込み位置が判明した事になります。
各々のヘリコイドを分解する事が出来ました。
後は、経年変化したグリスを洗浄して新たにグリスを塗布して組み上げれば完成です。
修理後の感想と申しますと、修理要綱の情報を持ち合わせない民具の手入れは悩みますね!もう少し、右脳の活性化が必要のようです。
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