修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.09.14
硝子筒の中でカビを培養中のようです。ヘリコイドのグリスも暑さで揮発したようです。
ヘリコイドを一気に腑分けしようとしましたが、腑分けには気長に待たなければなりませんでした。
前環(赤○部の剣先ネジを緩め)外します。
距離環を覆っているゴム筒を外しておきます。
前環を外した事で鏡筒が分離されます。
化粧環は接着されていますので距離環横にある横穴にアルコールを挿し、接着剤を緩めてから外します。
(1)~(3)のネジを外し、距離環を分離します。
(1)~(5)のネジを外し、バヨネット環を分離します。
絞り値環も外します。
絞りクリック板&絞り作動軸を外します。
3本のネジ(赤○部)を外し、被写界深度環を分離します。
ヘリコイドの繰り出し位置を無限位置として外ヘリコイドと中ヘリコイドに卦書きを入れます。
直進キーを止めている2本のネジは、外ヘリコイドに開けてある2ヶ所(赤○部)の穴から外します。
直進キーを外しましたら中ヘリコイドを反時計方向に回転させ終端位置としてから卦書きを入れておきます。
終端位置を確定しておく事で外・中ヘリコイドの組み込み位置の組み込み違いを防ぎます。
此処まで分解して困ったことになりました。制限板を止めているネジ頭が出てこないのです。と言いますのも制限板が制限環に邪魔されているのです。
解決するには制限環を外さなければなりません。所が制限環を止めている(1)~(3)の剣先ネジが接着されている事です。無理をしますと剣先ネジの頭が損傷します。
アルコールを垂らし、しばし休憩。スルスルと抜けるまで無理をしてはいけないのです。
スルスルと抜けない場合は、再度、アルコールを挿して待ちます。
次に中ヘリコイドと制限環も接着剤で止めてあります。アルコールを挿し、緩むのを気長に待ちます。
両者が緩みましたら内ヘリコイドと制限環が一緒に回り、途中で制限環より外れる位置に来ます。
グリス交換した後組みこまましたらカメラ本体に取付、制限環を動かしながら無限合致を合わせます。無限合致が出ましたら制限環を止めている3本の剣先ネを均等に締付ます。
そして制限環と中ヘリコイドにアルコール系接着剤を塗布します。
先に卦書いた中ヘリコイドの卦書に合わせて内ヘリコイドが抜ける位置に卦書線を入れます。複数ある線条の内、組み込み位置を特定することになります。
スポンジにベンジンを含ませグリスを拭います。
鏡筒に取り付けられているレンズは前群と後群が二つに分かれて分離できます。
前群レンズの内側にカビがありました。他に発生しているか確認して組み立てていきます。
20mmのヘリコイドを分離するに当たって急いではいけない事ですね!
気長に溶剤で緩める事が必要です。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。