修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.11.02
枚数計が働いていないようです。油分切れの持病かと思いました。所が開腹してみると枚数計盤を止めているネジ(赤○部)に錆が出ています。
確認の為に枚数計部を外してみますと錆ついていました。水分が侵入する場所でもありません。保存場所が悪かったのでしょうか?後に補修部品と交換しました。
擬皮を剥がして秒時ダイアルを外します。本体側の秒時カムとの間にジョイントが入っています。露出計に連絡している連絡歯車を外す前に露出測定外警告板(赤い板)の位置を確認します。シャタースピードを1/8にしてASA設定ダイアルを回し、露出測定外警告板がTTLナンバー0側の赤い部分から顔を出すか、出さないかの境界を確認します。
秒時ダイアルの組み込みは、連絡歯車を取り付けて、前記の境界に露出測定外警告板が境界上に位置するまで回し、秒時ダイアルを組み込みます。
レリーズ釦受を外します。赤○部のリード線を外した後、(1)~(3)のネジを外すと、電流計部が分離できます。
(3)のネジを外し、枚数計係止レバーを外します。次に枚数計係止レバーバネを保管し、ナットを外します。
(1)~(2)のネジを外し、巻上戻しバネの掛かりを外しますと枚数計台板を分離できます。
枚数計台板を分離する場合は注意を払わなければならない。理由は次の画像にて。
巻き上げを軽くするに軸受け鋼球仕様になっています。塗布されていたグリスの減少で鋼球が踊り出る恐れがあります。
グリスを塗布するので巻き上げレバーを外しますが、上下の鋼球12個を確認します。
グリスを塗布した後は、帰り道を急ぎます。
枚数計台板を外しますと、巻き上げ送り歯車とシャターセット歯車にズレが生じて、2度巻き上げになる場合があります。ペンFですと3度巻き上げになりますね!
(1)~(2)のネジを外し押さえ板を外します。
(3)のネジを外し、R釦押さえを外します。R釦押さえと本体の間にスペサーがあります。
完全に巻き上げてからスプロケット下歯車を外します。
A-R切替板が実線部に位置しています。2度巻き上げになりましたズレ量は、A-R切替板を反時計方向(点線部)に動かします。
その後。スプロケット下歯車を組み込みます。尚、シャター機構部の歯車との咬合が合わない場合は、スプロケット下歯車を180度回転させて組み込みます。
2度巻き上げが改善しないときは、同じ作業を繰り返します。
枚数計盤・送り歯車・係止歯車を補修部品と交換して完成しました。
故米谷氏の名機は次世代まで残したいですね!発売当時、胸を高鳴らせて手に入れ、長期失念しておりましたら思い出して下さい。
使用せずとも部屋飾りとして過ぎし古の青春を回想して頂ければと思います。
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