修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.11.09
箸休めならぬ頭休めになると思ったのですが、とんでもない事が待っていました。
社名環が外れづらい時はアルコールを注すと外れやすいですね!ゴムアダプターを利用して社名環を外します。
(1)~(3)のネジを外し前環を外します。
此処で暫し思考を致しました。Xのネジを外すか?(1)~(3)のネジを外すかなのです。
前群レンズを左右・上下に振ってみました。異常なガタがあります。何らかのネジが緩んでいるのでしょうか?
FDレンズの仕様としてヘリコイド側に制限板が取り付けてありますから、距離環を外しても問題は起きないと推測したのです。そこで、(1)~(3)のネジを外して距離環を分離しました。
推測通りヘリコイド側に繰り出し制限板が取り付けられていました。
ヘリコイドの側面に穴が開いていました。覗くと星でも見えますでしょうか?
星の代わりにネジ頭が見えました。
ネジを外して出てきましたのは自己粉砕したコロでした。破片を取り残せば後後ヘリコイドの回転に支障をきたします。
それにしても酷い状態ですね!コロ素材が加水分解したのか?使用してあるグリスと反応したのか?分かりませんが、他の民具ではお目にかかった事が無い状況です。
この個体だけで安易な判断は下せませんが、後期型が自己粉砕の時計を持ち合わせているならば絶滅民具となってしまいます。
前群レンズが外れたのは良いのですが、コロの手当てをどうするかです。
製造元に補修部品が保管されていると思いません。
ノギス持参でHANDSに出かけました。HANDSに出かければ帰りたく無い程楽しいお店です。唯、殆どが定価なのが玉に傷です。
そして見つけましたのがABS樹脂のパイプでした。外径4mmはどんぴしゃり。
内径迄は計測して来ませんでしたが、買ってみる事にしたのです。
神の福音か?結果、内径も合致致しました。
取り付けてみると、ヘリコイドの回転に支障は出ませんでしたし、無限も合致しました。
この後、残りましたパイプが民具の継承に再び役立つ時が訪れるでしょうか?
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