出身地の四国を撮影した写真が、より多くの人の目に
触れることになり、大変うれしく思っています。
すきとおるような緑。楽園はこんなに近くにも存在する。
■カメラ:コニカミノルタα-7デジタル レンズ:70-200mm 絞り:f11 シャッタースピード:オート  撮影地:東京都夢の島熱帯植物館

───前回ご登場いただいたときに、ご紹介させていただきました写真集「巡る楽園・四国八十八ヶ所から高野山へ」が、第4回「飯田市 藤本四八写真文化賞」を受賞されました。また、日本郵政公社四国支社発行の切手の原画にも採用されましたが、この写真集に対する先生の思いや受賞されたお気持ちをお聞かせください。

 ご存知のように「楽園」というテーマで撮影活動をしていますが、それを南の島だけにとどめず、私の故郷にある理想郷として四国八十八ヶ所を、巡礼しながら3年間をかけて撮影した作品を写真集にまとめたものでした。
 また、昨年の11月に「四国八十八ヶ所の文化遺産 第1集」として、いままでの写真集やポストカードなどとは違う、切手という新しい形になりました。これは、私にとっても初めての体験で、今年の7月には第2集として、前回と同様に20枚が発行される予定です。最終的に88枚が揃うようになり、コレクションとしても楽しいと思います。
 このように自分が感じた満足感を他の人にも感じていただけることになり、この2つのことには今までにない喜びを感じました。



ホテルは人間がつくりあげた人工物。
しかしリラックスできるという意味では、
自然もホテルも同じなんです。
天井からの自然光が、アール・デコ調のダイニングホールを柔らかく包む。
■カメラ:ペンタックス645N レンズ:35mm 絞り:f11 シャッタースピード:オート フィルム:プロビア100 撮影地:オランダ アムステルダム グランドホテル クラスナポルスキー ウィンターガーデン


───「ホテル楽園世界旅行」が、ホテルをテーマにした3冊目の写真集となります。先生のテーマである「楽園」が沖縄からはじまり南の島々へと広がる中で、数多くの自然風景を撮影されています。その「楽園」のテーマの中で、自然風景ではない人工物であるホテルを選んだことについてお聞かせください。

 今回の「ホテル楽園 世界旅行」に掲載しているホテルは、自分がそこに滞在し、気持ちが和み、リラックスできたところです。
 確かに人がつくりあげた人工物ではありますが、自然と同じく、ホテルも大きな意味でとらえると”人を包み込む空間“です。その空間で心が癒され、何かを感じたりすることができるので、私の中の楽園というテーマでは、人工物と自然を分け隔てては考えていません。
 現在は日本国内の温泉や旅館を撮影して、週刊ポスト(小学館)にて『ふたりの楽園』として連載しています。ですから毎週、日本各地を飛び回っています。もちろん現地では時間を見つけては風景写真も撮影しています。
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