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【落日】超望遠レンズで太陽を撮影すると、日毎に沈む位置がずれるのが分かる。駆け足しながらの忙しい撮影となる。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:トキナー800mm F8 絞り:f32 シャッタースピード:1/125秒 フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:福島県福島市吾妻山 8月 |
【静寂】コバルトブルーに染まる神秘の湖オンネトー。対岸にある白樺が水面に映るように風が止むチャンスを待つ。
■カメラ:キヤノンEOS1‐V レンズ:EF70〜200mm F2.8 絞り:f16 シャッタースピード:オート フィルム:RVP50 PLフィルター使用
三脚使用 撮影地:北海道足寄町オンネトー 7月 |
【春の小道】喧騒を極める花見山にあって、誰も来ない私だけの場所。花に包まれた人生を思わせるような小さな道。
■カメラ:キヤノンEOS-1V レンズ:EF24〜70mm F2.8 絞り:f11 シャッタースピード:オート(+0.5EV) フィルム:RVP100 レッドハンサーフィルター使用 三脚使用 撮影地:福島県福島市花見山 4月 |
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シャッターを切る時の自分の気持ちが、
写真には必ず表れています。
「桜を目の前にした時、私はいろいろなことを感じながら撮るようにしています。時間帯によっても見え方は変化しますが、何といっても『夜桜』の魅力の虜になりました」。
一番大切なのは、撮る時の自分の気持ちだとおっしゃる五島さん。
「桜に対してどれだけ自分の感情をぶつけられるかが大事です。自分の気持ちが明るい時に撮影した桜は明るく撮れます。気持ちが暗く沈みこんでいる時に撮った桜は、やはり暗く写っています。悲しい時は、悲しい印象の桜になっています」。
「やはり、日本人の桜や夜桜に対する想いというのは独特なものがあると思います。昔から絵のモチーフになったり、数々の作家の方も多くの名作を残しています」。 また、日頃から気になった桜は、花が咲く前から仕上がりのイメージを思い描くこともあるそうです。月と絡めて撮るのであれば、満月がいいのか、それとも三日月がいいのかを、枝ぶりなどを見ながらスケッチをすることもあるそうです。
桜以外でも被写体に感情移入を
することに変わりはありません。
桜を撮っている時は、自分の感情をぶつけることを心がけてきた半面、あまりにも自分の気持ちを入れすぎて、素直にきれいな写真が撮れなかったとおっしゃる五島さん。
「桜は新緑や紅葉と比べてみても、感情移入がしやすい被写体なんです。そのことがかえって自分の写真の世界を狭めたようにも思います」。
ご自分の中にいろいろな面を持っていた方が面白いことに気づき、最近では夜桜以外の被写体にも積極的にチャレンジしているそうです。
「夜桜の世界は自分なりに確立できたのですが、今度はなかなかその世界を越えることができず苦労しています。でも、被写体に感情移入することには変わりありません」。
写真を撮り始めた頃のテーマである、
「郷愁」に再び取り組んでいます。
「現在は、写真を始めるきっかけにもなった、斉藤清氏の作品から受けた『郷愁』というテーマに再び取り組んでいます」。
五島さんは自然風景の中で、願い・祈り・希望といったものを感じさせる被写体に魅力を感じるとおっしゃいます。
「単なる風景写真ではなく、風景の中に”自分“を撮りたいんです。それは、風景の中に嬉しい・悲しい・寂しい・明るい・暗いなど、自分の想いというものがしっかりと表現されるということで、それを見る人に伝えられたらと思います」。
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