この番組のことは以前から知っていました。いつかは竹内に依頼が来るのではないかとヒヤヒヤしていました。11月にお話が来たのですが、まだ身体が万全ではなく、さらにお正月の新春スペシャルとして放映したいというお話で、収録する時期も迫っていたのです。12月は写真展もあり忙しくしていましたので、私はお断りするつもりでした。
しかし、本人は最初から受ける気持ちでいたようです。私としては何とか断ることを考えて、不自由な身体での撮影がいかに大変であるかなどいろいろと理由を述べたのですが、番組スタッフの方々がすべて応えてくれて、断る理由が段々となくなってしまいました。
また、放映時間も通常の30分から1時間の拡大枠になることがわかり、本人はますますやる気になっていました。テーマも富士山ということで気に入り、最終的にはお受けしたのです。
3泊4日の収録でしたが幸い天候にも恵まれ、多彩な富士山の表情を撮影することができました。
――番組内でも精力的に撮影されている先生の様子が映し出されていました。
私は写真を撮らないとダメな人間なんです。写真を撮れば元気がわいてくるんです。番組の収録中も日を追うごとに元気になって、シャッターを押す回数もそれに比例して増えていきました。
――そばでご覧になっていた昭子夫人は、どのようにお感じになられましたか?
事務所に居るときと表情が全然違っていました。元気になるために撮影をしているようなところもあったようです。写真を撮ることにはすごい力があります。薬以上の効果があるように思えました。人間が本来持っている生きるための不思議な力を実感しました。本人にも自信になったようです。番組のお話を引き受けたことがすごく良かったと思いました。
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