もともと写真との接点はまったく無かったんです。当時は今と違って携帯電話もありませんし、一家に一台カメラがあるかどうかという時代でした。私の中のイメージでは「写真というものは写真館で撮るもの」というくらいの認識しかありませんでした。
写真との出会いは大学の友人に勧められて応募し、ミスユニバース日本代表に選ばれたことがきっかけでした。しかし、それは撮影される立場としてのことでした。ミスユニバースに選ばれてから写真を撮られることが非常に多くなり、やがて撮影会などで写真を撮られることに嫌悪感を覚えるようになってきたのです。そんな時、ある撮影会で撮影指導をされていたのが大竹省二先生でした。大竹先生が「さっきから見ていると、君を撮る人もいないし、君自身もあまり乗り気じゃないように見えるけど、モデルは嫌いなの?」と声をかけてくださいました。私は素直に『モデルは嫌いなんです』とお答えしたところ、大竹先生は「それでは君は何がしたいの?」と聞いてくださいました。そこで私は絵を描くことなど芸術に興味があることをお話ししたところ、「それなら写真家になったらどうか?」と言われました。
撮影指導をされていた写真家の方は他にもいらっしゃったのですが、たまたま大竹先生とはそのようなお話をすることができ、後に写真を教えていただくことになりました。
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シャフ・ハウゼンの街を抜け、轟音が聞こえてくる方に向かって歩くと、巨大な滝が顔を出す。人間の大きさと比較すれば、どれだけのスケール観かわかっていただけると思う。水量の多い春が最高の季節だ。
■カメラ:ニコンD2X レンズ:18-200mm シャッタースピード:1/250 絞り:f10 撮影地:スイス |
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