種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.03.11【Vol.002】
前回のコラムでは、撮影モードについての傾向について簡単にお話しさせていただきました。絞り優先モード(A、AVモード等)を使用している方がどうやら多いのでは、ということ。とともに、結局のところ、自身で慣れているモードがあれば、それをメインとして撮影中にあれこれ変更しなくてもいいのでは、ということもお話ししました。
そして最後に、プログラムモード(P)での撮影者が圧倒的に少ないようだというところで前回は終わりました。引き続き撮影モードについてちょっとだけお話ししてみたいと思います。
なぜP(プログラム)モードを使う方が少ないのでしょうか。よく聞くのが、「Pと全自動モードは同じだから」というのと「絞りとシャッターをカメラが両方とも決めてしまっては、自分で露出を決めて撮影したことにならない」ということ。確かにどちらの理由も間違ってはいませんし、少し写真についての経験が増えると、何か物足りなさのようなものを感じるのかもしれません。
また、絞りとシャッター速度の組み合わせのことをプログラムというので、全自動でもPモードも同じような印象を与えるかもしれません。全自動を含めスポーツモード、風景モードなどのシーン別モードもプログラムAEの仲間であることは間違いではありません。
ただ前者の場合、「同じ」とされる部分はあくまでも露出の組み合わせ及びその機能の一部で、大きく異なるのはPモードは撮影者自身で露出値を変更できるのに対し、全自動では基本的には、カメラが決めた露出値を変更できません(最近の全自動モードでは多少の明暗を変更できるものも増えてきました)。また一定の明るさ(暗いシーン)になると自動で内蔵ストロボが発光してしまうのも全自動モードの特徴です。
次に後者の理由についてですが、これは「何かの物足りなさ」という部分が大きいのかもしれません。先に述べたようにプログラムモードはカメラが決めた露出の組み合わせ(プログラム)を変更(シフト)できます。ですので、絞りを意識してダイヤルを回せば絞り優先のイメージで撮影できますし、シャッター速度の場合も又同じです。しかし、一度変更(シフト)した設定はシャッターを一回きると基本的には、再びカメラが決めた露出値に戻ってしまうのがPモードの特徴ですし、被写体の明るさによっては、カメラ側でなるべく露出が破綻(明るすぎたり暗すぎたり)しないようにするため、設定できない数値が出てくるのも確かです。一つ言えるのは決してカメラ任せのモードというわけではなく、撮影のたびに細かく露出値を確認しないといけないモードになるかもしれません。むしろその操作がイメージしにくく、かつ操作を惑わしやすいので難しく感じられ、使用者が少ないのかもしれません。
全くカメラの操作や露出についてわからない状態であれば、押せば写ってくれたほうがいいでしょうし、またその機能が備わっていることで楽に撮影できるのは、写真を身近に楽しませてくれる大きな要因になったと考えられます。もちろん撮影を重ねるにつれ、次第に撮影者の表現意図を写真に反映したくなるのも事実。絞り優先モードやシャッター速度優先モードのほうがそれら表現をイメージしやすく、結果絞り、シャッター優先モードを使う方が多くなったのでしょう。ただ、最初からPモードを使わないのではなく、使ってみてからの判断でも遅くはないはずです。もしかしたらPモードも案外自分になじんでくるかもしれません。
「種清豊のフォトコラム」のコーナーは、毎週発行される無料メールマガジン「キタムラフォトライフ」と連動しています。
メールマガジンの受信登録は、こちらのページでどうぞ。
おトクにお買い物ができるクーポン付きで、好評配信中です。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。