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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.07.01【Vol.018】

手ブレについて

手ブレ補正レンズですが、一眼レフ交換レンズ用としてはキヤノンのEF75-300mm F4-5.6 IS USM(1995年9月発売)が世界で初めて発売された手ブレ補正内蔵レンズです。その後現在までに数多くの手ブレ補正機能付の交換レンズが発売され、今では携帯電話のカメラにもその機能が備わっています。また、手ブレ補正機能をレンズ内ではなくカメラの本体内に搭載するボディー内手ブレ補正もあります。

写真において、構図、露出がばっちり決まっていても、ピンぼけと、ブレが写真に認められたら、意図的にぶれた写真を作る以外は、失敗写真になってしまいます。画像処理を行っても、ブレやピンボケを完璧に修復することはできません。

写真撮影中、要するに露光中にカメラもしくはレンズが動く事で、その動いたものがフィルムや撮像素子に感光してしまうから生じてしまうブレですが、その殆どがカメラブレではなく、撮影者の手ブレに起因することが多いようです。ブレを最小限にとどめる対策として

  • ・カメラを三脚などに固定する
  • ・固定した上でレリーズやミラーアップも併用する
  • ・シャッター速度を速くする

ということが挙げられます

カメラの固定は、撮影時の動きに少し制約が出るので、三脚を使わずに撮影する方も多いようです。ですが、カメラブレ、手ブレを防ぐには最も効果のある手段でしょう。次に、シャッター速度を速くしてブレを防ぐ方法ですが、デジタルカメラになってから、一枚ごとにISO感度を変更する事が出来るので、その都度シャッター速度をかせぐことが出来ます。一般的に、使用しているレンズの1/焦点距離が手ブレしにくい安全なシャッター速度といわれています。たとえば100mmのレンズで撮影しているときの手ブレしにくいシャッター速度は1/125秒あたりということになります。それに加えてきちんとしたカメラの持ち方をした上でブレのない写真を作るわけです。

そういったカメラ、レンズがぶれる原因、というよりもブレた分を補正してくれる機能が手ブレ補正ですが、先に触れたように最近は殆どの交換レンズに付いています。シャッター速度に換算して約3段分~約4段分の補正をしてくれるものが現在多いようです。これは、たとえば1/30のシャッター速度で撮影していても1/250で撮影しているときと同じぐらいの効果があるということです。100mmのレンズでの撮影安全速度が1/125秒程度ですので、たとえ1/30で撮影しても手ブレ補正機能がONになっていれば、ブレた写真を補正がないときに比べれば高い確立で作りにくくなります。

しかし注意点もあります。いくら補正機能があったとしても、被写体がぶれているのに、スローシャッターを使って撮影してしまうと写真はぶれて写ってしまいます。あくまでもカメラ側のブレが軽減されるだけです。また大きく体全体が揺れていては効果も薄くなってしまいます。

補正機能付レンズ、カメラが一般的になったおかげで、以前にくらべればブレた写真は作りにくくなっています。ですが、基本的なカメラの持ち方や、機能をちゃんと踏まえたうえでの使用は必須です。機能に頼るのはいいですが、完全にその機能だけを頼りにする撮影スタイルは、ブレだけではない他の失敗をしてしまうかもしれませんので注意してください。