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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.07.08【Vol.019】

三脚の話し①(雲台について)

撮影時にカメラを安定させる道具に三脚があります。そして、実際三脚を使うにあたってカメラを取り付け、カメラの角度などを調整する機材として雲台があります。三脚(脚部)と雲台部をセットで、通称「三脚」と呼んでいるわけですが、今回はその雲台について簡単に解説します。

雲台は大きくわけて三種類に分類されます。3ウェイ雲台、2ウェイ雲台、自由雲台の三種類で、3ウェイ雲台と、自由雲台が主に写真用で、2ウェイ雲台はムービー撮影用として使用されます。ムービー撮影では基本的に縦位置での撮影を行わないので、水平方向と上下の傾きの動作を行う2ウェイが使われます。

3ウェイ雲台
3ウェイ雲台
自由雲台
自由雲台

一方写真用は縦位置での撮影も行うので、水平方向、垂直方向、上下角度(俯仰角)の動きが操作できる3ウェイ雲台が必要になります。また、動きのある被写体を追従して撮影するのに便利な自由雲台も最近では多く見かけるようになりました。操作面においてそれぞれ大きく異なる点として、3ウェイは雲台のパーンレバー自体を動かすことでカメラの位置決めを行うのに対し、自由雲台は常にカメラを片手で保持し動かすことで位置決めを行います。次にそれぞれの簡単な特徴を見てみます。

3ウェイ雲台の特徴は、水平、上下角度の傾き、垂直方向の3つをそれぞれ独立したパーンレバー(操作支持棒)で操作することができます。各レバーがそれぞれ担当箇所一つの動きを操作するので、カメラの位置決めが大変行いやすいです。また、パーンレバーの代わりにギア式で行うものもあり、角度、位置決めを細かく行ったり、大型の機材を使用したときに機材の重みで雲台の稼動部が動くことを軽減したりできます。デメリットとして、パーンレバーが出っ張っていて収納性が悪かったり、操作に時間が掛かってしまうなどが挙げられます。水平、垂直をしっかり出す商品撮影や風景撮影などで使用されることが多い雲台です。

自由雲台はセンターボールを基準にして一つのネジで様々な方向にトッププレート(カメラ取り付け部)を動かすことができる雲台です。そのことから、動きのあるスポーツや動物などカメラの取り回しが頻繁に起こる撮影で便利です。水平垂直の感覚が画面内で感じられないようなマクロでの撮影にも便利でしょう。雲台自体のでっぱりが少ないので、三脚を畳んだときにスッキリとケースなどに収まります。

雲台にカメラを取り付けるには通常、雲台のカメラ取り付け台に付属しているネジを、カメラ底部にあるネジ穴に取り付けて固定します。今のカメラですと1/4サイズの小ネジといわれるタイプですので、特に注意しなくても簡単に取り付け出来ます。また、ネジ穴を介さず、雲台にクイックシューといわれる部品を取り付け、カメラ側にはクイックシュープレートを取り付けることで、ワンタッチで雲台とカメラを固定することもできます。

以上簡単に写真用雲台の解説をしてみました。どちらの雲台をみても、カメラのファインダーを常時覗きながらカメラの位置決めが行えるようになるまで、かなりの慣れが必要です。ただ、そういう点を見ると、最近のデジタルカメラのほとんどにライブビュー機能がついているので、それを併用すればファインダーでの位置決めよりはいくらか簡単に扱えるようになったのも事実です。

自身が撮影する被写体に応じて、使いやすい雲台を選ぶことが大事ですが、個別に考えるよりも、三脚とともにセットで選ぶほうがいいでしょう。

次回はその三脚についての解説を行いたいと思います。