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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.01.13【Vol.046】

シンクロスピードの話

カメラ側で自由にISO感度を変更することができるようになったため、暗いシーンでもストロボを使わなくても楽に撮影できます。

ただし、動いている被写体を写し止めたい、逆光で影になった部分を照らす、効果的なライティングで被写体に立体感をだすなど、ストロボはポートレートや商品撮影においては無くてはならない機材です。エントリークラスのデジタルカメラになれば、内蔵ストロボが搭載されていて、随時必要に応じて使用することができます。また露出など難しい設定も特に必要なくシャッターをきればおおよそ間違いのない露出で写真が撮影できるはずです。ところで、ストロボ撮影を行なう際にシャッタースピードや絞りの数値を気にかけたことがあるでしょうか?

ストロボ撮影においては主にISO感度、絞りといった露出の要素と、それにストロボの発光量が写真の明るさに関与してきます。それらはストロボ光がどれぐらいの距離まで届くのかということに大きく影響します。そして、シンクロスピード(ストロボ光と同調(シンクロ)できるシャッター速度)という形でシャッター速度は関係してきます。簡単に言えばシンクロスピードが速ければ速いほど、その分絞りを開けることができるので、背景をぼかした写真を撮影することができるわけです。例えば1/250 F2.8と1/60 F5.6では明るさは全く同じですが、絞りが異なるのでそれにつれて背景のボケも変化してきます。ストロボを使用して撮影した写真をよくよく見てみると、背景のボケが一定のままであることがほとんどのようです。一方でシンクロスピードが遅くなれば、ストロボ光だけで被写体が照射されず、周辺の光の影響を受けた撮影もできたりします。

カメラのスペックで気になるものに、画素数、視野率、連写性能といったものが挙げられますが、ストロボを使って撮影することのある方は、そのカメラのシンクロスピードという点にも注目してみてはいかがでしょう。