種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2012.04.20【Vol.060】
露出計とはその名の通り、現場の光(光源)の量や強さを機械的、もしくは化学的に計り読み取ることのできる写真用品及び機能のことで、カメラ内蔵の露出計と単体露出計の2つに分かれます。勘や経験に頼らずとも正確な露出値もしくは撮影者の望む適正露出を割り出すのに大変便利なので、昔から盛んに使用されてきたカメラアクセサリーです。露出を計る方法により、反射光式と入射光式に分かれているなんて言ったりもしますが、通常は単一の露出計でそのどちらの計り方もできるように設計されています。
露出計
もともとは単独で存在していた露出計ですが、次第にカメラに内蔵されていきます。そう書いてしまうと過去の遺物のような雰囲気が感じられますが、スタジオなど、人工光源で複雑に光を組み合わせた現場やストロボなど瞬間的な光源を使う際などカメラ内蔵露出計では計れないので単体露出計がまだまだ使用されているようです。
そもそも露出計が搭載されていないカメラが現在ではほぼ皆無となっていますので、カメラが自動的に絞りやシャッタースピードを計ってくれるものだと思っている方もいるかもしれません。もちろんその通りで、カメラ任せで明暗の失敗が少ない写真が簡単に撮影できます。また、デジタルになり一枚撮影するたびに写真を確認できたり、何枚でも撮影できるメリットと相まって、露出の失敗への不安感がなくなったのは事実でしょう。
歴史的にみると露出計とは、限られたフィルム枚数の中、失敗することなく効率的に撮影を行いたいという希望から生まれたもののようです。たった一枚で完璧に仕上げたいという願望もあったのかもしれません。写真自体が高価なものであったので納得はできますが・・・。ただし露出計ができた当初、結局は写真を撮影したことのある人の経験則に頼るしかありません。それらデータを参考にした一覧表程度のものが露出計として販売されていたようですが、少々正確さには欠けるであろうそれら「露出一覧表」でも、写真を撮影する人には渇望されるべき商品であったようです。
そのうち、光学的に読み取るフィルター式の露出計や今で言う太陽電池を使った電気式露出計へと進化していき次第に露出計の信頼度も高くなります。そしてカメラに露出計が内蔵されシャッター速度、絞り、感度と連動することで古い言い方をすれば完全自動露出へとつながっていきます。
在の露出計は、ほとんどの撮影現場で正確な露出値を教えてくれます。おかげで露出に対する不安はなくなったかもしれません。ただしそれが自身の撮りたいイメージどおりの露出にするには結局自分なりの経験則に頼らないといけないわけです。正確な露出を求める結果生まれた露出計ではあるのですが、作者のイメージまで読み取る露出計というのはなかなか製品化されそうにありません。