【ファミリーフォト番外編】防水カメラを使って子どもと写真を楽しむ方法|ニコン COOLPIX W150
はじめに
自身も7歳のやんちゃ盛りの息子を持つ写真家・水咲奈々が、ニコンD5500・D5600を使ってファミリーフォトを撮る方法をレクチャーする連載の番外編として、防水、耐衝撃性能を持つニコンCOOLPIX W150を使って、家族みんなで写真を楽しむ方法をお伝えします。
今回は、「ニコンCOOLPIX W150」と共にバリへ家族旅行をしてきました。実際に息子が撮影した写真を交えながら、一緒に写真を楽しむにはどうすればいいかを、具体的にお話したいと思います。
好きな色は好きな被写体になる
緑色が大好きな息子の写欲が湧いたのが、ウブド近郊にある一面の棚田「テガララン」でした。ライステラスと呼ばれるこちらは、どこを見渡しても緑色。稲もヤシの木も緑色。段々畑の下を見ても、上を見上げても緑色の世界は、息子にとって大好きな色に囲まれている世界なのでしょう。自然とシャッターを切る回数も増えていました。
こんなときは、ぜひじっくりと時間を取ってあげましょう。旅行となると、短時間であちこちを回りたくなるとも思いますが、撮りたい写真を撮る時間がないのは、子供じゃなくてもストレスになるのは、みなさんも分かると思います。特に観光地は人が多く、気に入った構図があっても人が少なくなるまで待たなくてはいい写真が撮れないこともあります。そんなときに、「適当でいいから撮っちゃいな」なんて言葉は、絶対に言わないようにしましょう。子供が何かに対して意欲を持っているときは、ぜひ前向きに応援してあげてください。
それでも時間は有限です。切り上げるときは妥協策をあげてください。「下のほうに少しだけ人がいる写真も、”ここが広いんだ”って大きさの比較になっていいんじゃない?」と逆転の発想を与えてあげたり、「あと5枚撮ったら違うところも撮りに行こうね」などと、次の撮影スポットへ誘ったりすると有効です。
防水カメラならではの水中撮影
「ニコンCOOLPIX W150」は水深10mまでの防水機能を有していますので、海やプールはもちろん、雪山遊びでも楽しい仕様となっています。夏のお勧めはやっぱり海。ライフジャケットと足出し浮き輪で海面にぷかぷか浮かびながら、バリの離島、レンボンガン島の綺麗な海中を撮影しました。親もその隣でシュノーケルをしながら、どこに魚がいたかを指差して教えてあげることで、子供もどこにカメラを向ければいいかがわかりやすくなります。水深1~2mくらいの浅い海底を写すと、太陽の光を多く受けるので黄緑色っぽい、なんだか暖かい写真になります。
海面を浮かびながらの撮影なので、足が付かないような深いところにも行けます(安全のため、子供はもちろん、親もライフジャケットの着用をお勧めします)。深い海底を写すと、海の中らしい澄んだ青色の写真を楽しむことができます。揺れる海面に浮かびながらの撮影なので、カメラが斜めになったり、親のフィンが写り込んだりと、色々な写真が出来上がりますが、それを失敗作とはとらえずに、臨場感のある、思い出を語り合える写真になったねと、褒めてあげてください。作例の写真は、現地でカーチャーターとガイドをしてくれた方が、海中から私たち家族を撮るために潜ったところを撮ろうとして、でも揺れた結果か、端っこにしか写らなかったという写真です。潮の流れのはやいレンボンガン島っぽい写真になったねと、褒めてあげました。
※撮影:水咲奈々
これは、ホテルのプールで筆者が息子を撮った写真です。カメラとしての基本性能は高いので、大人が使っても綺麗にいい写真が撮れます。水中でシャッターを切る際、交代で撮影しあうこともできるので、まさに家族みんなで使えるカメラ。また、自分が撮られた写真を見ることは、カメラと被写体との距離を体で覚えることができるので、実はとても大事です。ぜひ、子供が自分で使うカメラで、お子さん自身を撮影してあげてください。
迷ったら「真っ直ぐは真っすぐに撮ってみようね」
写真を撮っている子供にどんなアドバイスをすればいいでしょう?という質問をよく受けるのですが、基本的には好きに撮らせてあげてください。写真には一応セオリーはありますが、絶対的な決まりはありません。あるとしたら個人の好みだけ。親である私たちがいい写真だと思っても、子供はそうは思わないかも知れない。個性や独創性が大きく作用する写真という分野について、筆者は、特に子供に対しては、求められてもアドバイスはしないようにしています。
それでも、何か言ってあげたいというのでしたら、「真っ直ぐなものは真っ直ぐに撮ってみよう」と言ってみましょう。水平垂直を守って撮るということですね。水平な被写体は水面や地平線、机やビルなどがあります。垂直な被写体は電柱や柵、電車や家などもありますね。これらが滑り落ちたり、倒れたりしないような構図で撮ることを進めてみてください。そのうえで、わざと斜めにしてもいいんだよとアドバイスしてあげましょう。
ポイントは、水平垂直があることを教えることと、それをわざと崩して撮る方法もあることの、両方を教えることです。「こんな撮り方しちゃダメ」はNGワードです。
作例はボートでマングローブクルーズをしたときの写真です。このときはボートの一番前の席にいたので、親がボートから子供の体が出ないように安全確認をしながら、息子は先端にうつぶせになるように肘をついて撮影しました。これで、体が斜めになって水平が崩れることはなくなります。波が強い海では使えませんが、穏やかな海上でしたら肘をつくのはお勧めの方法です。また、テーブルなどがある場合は、そこに肘をつくと、水平が取れるのと共に手ブレも抑えられます。
バリのジンバラン地区では、夕陽を見ながらシーフードBBQをいただくイカンバカールが有名です。波打ち際まで歩いてすぐなので、沈みゆく夕日を撮影することができました。子供は飲み込みが早いので、一度水平垂直を教えると、筆者が何も言わなくても気にして撮影するようになりました。
カメラを構えて撮り合いっこ
筆者がカメラを構えると自分も撮りたくなるのか、息子もカメラを構えて撮り返してくることが多くなりました。子供の癖なのか息子の癖なのかわかりませんが、どんどん近付いてくることがとても多く、ボケボケ写真になることも。そんなときは、撮影モードを「アップでとる」のモードにしてみましょう。どんどん近付いてもボケずに写真が撮れるので、近付くのが大好きな子供も大満足な写真になります。
マングローブクルージングのときに、すれ違う船から私たちを撮ってくれた現地ガイドのパンちゃん。息子はとっても懐いて大好きになっていました。子供は撮り出すと撮られることに気が向かなくなるので、ずーっとカメラを構えていて、写る写真すべて、顔がカメラで隠れているなんてことにもなりがちです。そういうときは、先に子供に写真を撮らせてあげましょう。撮る欲求を少しでも満たしてもらってから、じゃあ次はお顔を見せてねというほうが、素直ないい笑顔で写真に写ることができます。
子供に飽きる隙を与えないおもしろ機能満載
撮影場所によっては、大人は興味深くても子供の写欲の湧かない場所も多々あります。そんなときは、カメラに搭載されている色々な機能を使って、カメラ本体で遊んでもらいましょう。まるで夜景撮影をしているようなネオン風モードや、半分が実物、半分はミラーに写したように同じ被写体が写る鏡に映すモード、笑顔が検出されるとシャッターが切れる笑顔シャッターを使って自撮りをする…など。自由な発想で思いもかけない面白い作品を撮る子供には、驚かされますよ。子供にカメラを持たせたら、ぜひ自分もカメラを持って、家族みんなで写真を楽しみましょう!