フォトライフ「四季」Vol.43 WINTER
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カメラのキタムラ
Vol.43 2002 WINTER
 
(上)【幻のステンドグラス】 ■カメラ:キヤノン
EOS-1N レンズ:180mm F3.5L マクロ 絞り:f8 シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームベルビア PLフィルター使用 撮影地:東京都三鷹市
透明な水がドラマティックに変化する姿は、理屈抜きに感激します。
 「水は気体・液体・固体と変化していきますが、やはり形の美しさや面白さ、透けて見える木の葉などの色の素晴らしさ、そして朝陽や夕陽の光を受けて輝く神秘性など、氷が一番ドラマティックです」。
 そこで、先生は水をテーマにした個展を開催することになったのです。もちろん氷の写真がメインでした。
 「冬は一般的に良い被写体がないように思われがちですが、注意深く見てみると良い被写体が結構あります。確かに秋の紅葉などに比べると色彩のバリエーションは少ないですけれど」とおっしゃる先生の撮影フィールドは、自宅近くの小川や公園から、遠くは厳寒の北海道までと幅広く活動されています。
 冬の北海道では、氷の塊が流れる十勝川で撮影をしている時、撮影に夢中になり過ぎて、岸辺の氷を踏み抜いてしまい、腰まで水に浸かってしまったことも。慌てて近くの民宿に駆け込んで、お風呂に入らせてもらったそうです。


年を追うごとに冬らしさが薄れていくことに不安を覚えます。
 アマチュアカメラマンとしての経験が長かった先生から、自然風景写真を撮影される読者の方へ貴重なアドバイスをいただくことができました。
 「なるべく自分が足繁く通える場所を選んで、四季の変化も含めて深く掘り下げて撮影をしてもらいたいと考えます。あれもこれもと欲張らずにテーマを決めて撮り続けていくことで、新しい発見ができ、いい写真が撮れると思います」。
 これからも水をテーマに、氷はもちろん雪や霜なども撮り続けていきたいとのこと。そんな先生が、いま危惧されていることは、年々冬の訪れが遅くなり、春が早くやって来ることだそうです。「これも地球温暖化の影響からきているかも知れませんね」。
 今後は、日本国内に限ることなく、海外の清流なども積極的に撮りに行かれる予定だそうです。人の手がなるべく入らない自然の姿を、これからも追い続けていく比留間先生の作品づくりに、期待してください。

PROFILE
ひるま かずや
1943年東京都小金井市生まれ。1974年現代写真研究所基礎科入学。また、研究所在学中より竹内敏信氏に師事。1998年フリーランスの写真家として独立。現在、「水」と「四季折々の自然美」をテーマに撮影。写真集に『POINTOFPHOTOART』共著(新峰社)、『光のクワルテット―日光の四季―』(玄光社)、『IceJewels』(青菁社)など。
(上)【水色かんざし】 ■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:35-350mm F3.5〜5.6L 絞り:f11 シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームベルビア 撮影地:長野県北相木村
(上)【草色糸のビーズ】 ■カメラ:キヤノンEOS-1N レンズ:70-200mm F2.8L 絞り:f5.6 シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームベルビア 撮影地:長野県茅野市

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