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【ミツバツチグリ】群生するスギナを前後のボケにして、その隙間から花を撮る。スギナの形を残したほうが面白くなる。
■カメラ:キヤノンEOS1N-DP レンズ:タムロンSPAF90mmF2.8マクロ 絞り:f2.8 シャッタースピード:1/200秒 フィルム:フジクロームベルビア(RVP)
撮影地:山梨県武川村 5月 |
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【キリギリスの幼虫】前ボケのスギナに付いた朝露が丸ボケになっている。逆光で、絞りを開放にしないと丸いボケにならない。
■カメラ:オリンパスOM-4Ti レンズ:ズイコー90mmマクロF2 絞り:f2 シャッタースピード:1/250秒 フィルム:フジクロームベルビア(RVP) 撮影地:神奈川県大磯町
3月 |
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極意は「生態を知り、楽に構えること」
昆虫の写真をアップで撮るということは、被写体に近づきますから、普通なら逃げていってしまいそうなものです。
「"撮るぞ"と思ってると逃げられます。」
でも、先生の場合は虫にさわっても逃げないときがあるというから驚きです。今回その極意をちょっとだけ教えてくださいました。
「昆虫の彼らも人間の気配を敏感に感じ取っています。『逃げたらまた次』と気楽に構えること。そして撮りたい構図が決まったらカメラをそのまま置いて気長に昆虫を待ちます。」
待つといっても闇雲に待っていたのでは、出会いの可能性は低いまま。昆虫の生態を知ることで、彼らの動きがある程度予測できるようになり、それに基づいて構図を決めることが可能となってくるのです。
「自然界の配色の魅力を一番感じます」
生まれ育った神奈川県中郡大磯町から、現在お住まいの山梨県白州町に移って丸4年がたちました。
足元の何気ない被写体を大切にされる撮影スタイルの日比野先生。大磯でも被写体は豊富にあるわけですが、住居を白州に移した大きな理由は、写真に写る「背景」にあったと言います。
先生の、心に優しく語りかけてくるような画面構成は、昆虫や花だけを大写しにするのではなく、虫のいる風景といったような、環境も含めたフレーミングが特徴です。住まいを移してまで獲得した「背景」、そして被写体の「色」の組み合わせが、先生の作品の魅力なのです。
「こんな色彩があるのか」と驚くほどの意外な色の組み合わせ。まるで細かいところまで細工が施されたような自然界の配色が、一番の魅力とおっしゃいます。
その「色」を追ってたどり着いた白州町の自宅も、今ではすっかりアオゲラというキツツキに気に入られて、壁に14個もの穴が開いているとか。自然を愛する先生は困った顔で笑っていらっしゃいました。
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PROFILE
ひびの かつみ
1942年生まれ。神奈川県平塚市出身。1983年JPS展銅賞。1984年より自然科学写真協会名誉会員・竹村嘉夫氏に師事。1989年フリーの写真家として活動を開始。2000年山梨県白州町に移住し自然写真を撮り続けている。著書多数。日本写真家協会〈JPS〉、日本自然科学写真協会〈SSP〉会員。 |
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