いつも身近なところにカメラを置いておくこと。そして、傑作を撮ろうとは思わず、メモ感覚でたくさん撮ること。
【ゴールデン・レトリバー】私の車にはいろいろな撮影の小道具や水飲み器、虫刺され薬等を積んでいます。小道具は子犬の年齢に合せて使い分けます。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール200mm F4 絞り:f5.6 AE(+1増感)フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:茨城県取手市(利根川河川敷)

【日本猫】一匹にするとミァーミァーと鳴いて、とても悲惨な顔になり写真になりません。兄弟や親子で一緒にすると、落ち着いた写真が撮れます。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール105mm F2.8 絞り:f8 AE(+1増感) フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:千葉県香取郡大栄町(自宅)

【バーニズ・マウンテン・ドッグ】子犬を何匹か撮影する時、少し高い長椅子に乗せると恐がりおとなしくなります。子犬の顔の大きさも揃えられます。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール200mm F4 絞り:f5.6 AE(+1増感) フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:千葉県印西市

───キタムラのフォトコンテストの内容が、今年の春から変わりました。毎回審査をお願いしていますが、応募作品の以前との違いはありますか?

 かなりの変化が見られます。以前ですと前回のグランプリ受賞作品の影響が、その次の応募作品に表れていましが、テーマの設定が変わり、より応募しやすくなったので、さまざまな動物の写真が応募されてきています。特に昆虫を撮影した作品が増えたのは驚きでした。また、水中写真もあり、バリエーション豊富です。ただ、犬や猫が専門の私は、昆虫写真や水中写真の場合は、審査は楽しいのですが、苦労しているんですよ(笑)。

───フォトコンテストの応募に限らず、動物の写真を撮るときのポイントをアドバイスしていただけますか?

 まずはカメラを持つことを日常にしていただきたいと思います。自宅でペットを飼われている方はよく目にすることがあると思いますが、時々普段とは違うポーズや面白いポーズをすることがあります。そんな時でもカメラが手元にあれば、すぐに撮影できます。これは記録するというよりメモ感覚でいいと思います。
 気負って、傑作写真を撮るなどと思わないこと。とにかく気軽にたくさん撮ることをおすすめします。
 大事なカメラだからといって、カメラケースに入れておくと、ついカメラを出すのが面倒になり撮影チャンスを逃してしまいます。いつでも写真が撮れるようなところに置いておくといいと思います。
 あともうひとつは、なるべく同じカメラを使い続けてそのカメラの特性を理解して欲しいですね。やはりカメラも道具なので使いこなすことが大事です。

───そうしますとデジタルカメラがより適しているように思われますが?

 そうですね、フィルムの有無を気にする必要もなく、ホワイトバランスも気にしなくていいのが、何といってもデジタルカメラの利点ですね。フィルムだと光源によってフィルムを変えたり、補正フィルターを付けたりしなければなりませんから。それにデジタルカメラはISO感度も調整できるので、室内での撮影には特に優れています。

───増田先生はデジタルカメラで仕事をされることはありますか?

 いまのところすべてフィルムで撮影しています。フィルム撮影ですと撮影が終わって現像に出せば一段落できますが、デジタルだと撮影の後にも画像データの加工という作業がありますので、時間的に余裕もない現状では難しいですね。
 もちろん興味はあります。今後の流れとしてはデジタルの方向は無視できないので、いろいろと情報は集めています。

(財)アイメイトのパンフレット。
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