別々のカレンダーで、偶然にも我が家で生まれた同じ子犬の写真が選ばれました。
【スコティッシュ・フォールド】レンゲ草・コスモス・タンポポ等との撮影は、草の背丈や花の向き等に注意して欲しいです。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール105mm F2.8 絞り:f5.6 AE フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:千葉県香取郡大栄町(自宅)

【ジャック・ラッセル・テリア】
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール300mm F2.8 絞り:f5 AE(+1増感) フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:奥日光・丸沼高原

【ダックスフンド(スタンダード)】ミニチュアのダックスフンドが注目される前から、スタンダードを飼っています。力強く、頑固な性格が好きです。我が家で生まれ40日くらいです。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール200mm F4 絞り:f5.6 AE(+1増感) フィルム:フジクロームベルビア 三脚使用 撮影地:千葉県香取郡大栄町(自宅)




───先生のところで飼われている子犬たちと、他所のお宅で飼われている子犬たちで何か表情に違いがあるのでしょうか?

 今回、偶然に起きたことなのですが、出版社発行のカレンダーとフィルムメーカー作成のカレンダーの両方とも、うちで産まれた同じ子犬の写真が選ばれたんです。もちろんカットは別のものですが。
 候補写真に関しては、両方とも事前に膨大な数の作品を渡してあるんですが、偶然にも同じ子犬の写真が選ばれました。やはり子犬たちも普段から慣れ親しんでいる声や臭いなどで、リラックスできていたからこそいい表情をしてくれたのではないかと思っています。
 やはり、他所で産まれた子犬の撮影は大変気をつかいます。子犬たちもそんな私の気持ちがわかっているのではないかと思います。そのことがわずかな違いとなって、子犬たちの表情に出ているのではないでしょうか。
 また、長いこと動物の撮影をしていてわかったことなのですが、家族構成で動物の性格が変わることがあります。小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭の動物は、どうしてもわがままになりがちです。それは、動物に対して手をかけ過ぎることが原因と思われます。ある程度は距離を保つような飼い方をしているご家庭の動物の方が、撮影はスムーズです。

───数多くの動物と暮らされている先生ですが、苦労されているのはどのような点ですか?

 それぞれに習性や性格が違いますので、そこを見極めてあげる必要があります。遊ばせ方や接し方などにも気をつかいます。先ほどの(巻頭ページの先生と犬たちとの写真)ように何種類もの犬を一緒に撮影する場合でも、どのような組み合わせでもできるわけではないんです。
 また、小動物の撮影では他所のお宅のペットを、万が一誤って逃がしてしまったりすると大変なことになりますので、昆虫やハムスターなどを撮影する場合は、自分で購入して撮影してしまいます。だから気が付くと部屋の中がケージだらけになっています(笑)。

───いままでの動物撮影で変わったエピソードはありますか?

 いろいろあります。庭で撮影することが多くありますが、日頃から庭にはヘビがよく出没していました。実は、うちの犬たちもマムシに4回ほど噛まれました。犬たちは草陰にいるマムシを発見すると、どうしても鼻で臭いを嗅ごうとしてしまいます。そうすると、その鼻の下側の顎をマムシに噛まれてしまうんです。はじめの頃は驚いて獣医師に見てもらいました。しかし、犬は人間と違って毒が身体に入っても噛まれたところは腫れ上がりますが、4日目くらいから腫れが引いてきて、やがて完治してしまいます。これは、犬が持っている治癒力のすごさだと思います。
 でも、さすがに顎が腫れ上がっている時は食事ができないので、流動食やミルクを与えていました。
 実は、私自身もスズメバチに足を刺されました。知り合いの病院に連絡しましたが、『来てもらっても、特にすることはありませんよ』と言われ、一晩中うなっていました。この辺は自然が多く残っているので、撮影中に限らずいろいろなことが起きています。

撮影が終わって、ごほうびをもらう犬たち。

 当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。