私が皆さんに望むのは、写真技術の向上はもちろんですが、いかに写真を楽しむかを伝えることです。皆さんが写真を通じて楽しい時間を過ごすためのお手伝いができればいいと思っています。私はまだ6年間くらいしか教えていませんが、いろいろなタイプの方がいます。中には写真を他人との競争手段のひとつにしている方もいます。写真家の立木義浩さんは、サインで“写心”と書かれることがよくありますが、写真とはその時の気持ちが写ってしまうもの。ですから、他人との競争ではなく、いつも自分らしさを出せる状態で撮影に臨むことが大事だと思います。
そして、人に繰り返し教えるということは自分にも勉強になるので、とてもプラスになりました。皆さんにいろいろな被写体の撮影方法を教えるために、それまで自分が撮っていなかった被写体も撮るようになりました。それはテーブルフォトや夜景・花火などです。撮り始めてみるとこれらも自分に向いている被写体であることがわかり、自分の写真の幅が広がりました。
――最近は女性の写真愛好家が増えてきています。以前に比べるとその年齢層の幅も広くなってきています。そのような傾向についてどのように思われますか?
私の教室でも女性の生徒さんはたくさんいます。特に女性には写真を楽しんでもらいたいと思います。子育てをされている方であれば、いちばん身近なところに可愛い被写体があります。また、20〜30代の方は日頃から女性誌などで、きれいな写真をいつも見ている世代なので、きっかけさえつかめば上達はすごく早いです。特に若い方に共通しているのは、自分が撮りたい写真がハッキリしていること。初めからイメージが自分の中にしっかりとできているけれど、技術が伴っていない方がほとんどです。ですからそのイメージを汲み取ってあげて、それに適した撮り方を教えてあげるのが、こちらとしてもとても楽しいことです。
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【うたたね】シロアジサシは、枝の分岐など、卵がかろうじて乗るところに卵を産みます。そこでヒナは孵り、しばらくそこで大きくなっていきます。落っこちそうな場所でうつらうつら、すごいバランス感覚です。
■カメラ:キヤノンEOS-1D MarkIII レンズ:EF70-200mm f/4L IS USM プログラムAE(f5.6、1/125秒)
ISO200 三脚使用 撮影地:セイシェル |
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