【遠くを見つめて】柱の上にネコが飛び乗った。近づいて下から見上げると、ちょっと高貴な感じに見えた。
■カメラ:ソニーα700 レンズ:70-200mm F2.8G シャッタースピード:1/350秒 絞り:f8 ISO400 撮影地:イタリア チンクエ・テッレ |
【漁村の広場】クレーンで引き揚げられた船が並んでいる。色とりどりに塗られた船はどう撮っても絵になる。小さく人を配して生活感を足した。
■カメラ:ソニーα700 レンズ:Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA シャッタースピード:1/200秒 絞り:f9 ISO400 撮影地:イタリア チンクエ・テッレ |
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コンテストの審査をしていても女性の入賞者はかなり増えてきています。特にここ数年は上位に入る方が多くいらっしゃいます。女性の撮った写真は素直でキラキラ輝いていますが、以前のフィルムカメラだと、それなりのテクニックが無いとなかなか上手く表現できませんでした。
しかし、今はデジタルになり作者の気持ちをダイレクトに作品として表現できる時代です。カメラを持った時点でいい作品を撮ることが可能になるのです。
先日も私のふるさと徳島で小学生にカメラを持たせて撮影を体験させるイベントがありました。「自分たちの住んでいる街で残したいものを撮る」ということがテーマでした。1枚目からとは言いませんが、10枚も撮ればちゃんとした写真が撮れていました。彼らは普段から携帯などで写真を撮ることに慣れています。10年前に比べると人々の写真に対する距離感は縮まりました。すでに生活の一部として、ゲームをする感覚で楽しんでいます。
子どもでさえそのような状況ですので、女性でもデジタルコンパクトカメラやデジタル一眼レフカメラを使って、自分で撮りたい写真を形にすることができます。
――男性との一番大きな違いは何でしょうか?
私は普段から自分が撮りたい写真をイメージしておくことが大事だと言ってきましたが、女性の場合は自分が撮りたい被写体に出会ったときに、素直な気持ちで写真を撮ります。ストレートに純粋な気持ちで撮ります。『かわいい』ということが年齢を問わずキーワードになっているようです。カメラを肘に掛けて持つなど、ハンドバッグのようにファッションの一部として扱っている人もいます。
また、一眼レフカメラであっても、撮り方は携帯電話のカメラやコンパクトタイプのようにモニターを見ながら撮っています。小さなファインダーを覗いて撮るよりも、両目でモニターを見ながら撮る方がイメージしやすいんだと思います。それに比べると男性の場合は、アングルや構図などいろいろと撮影する前に考える傾向にあるようです。
実は私も両目でモニターを見ながら撮る感覚は、ハッセルや4×5で撮る感覚に近いものがあると思っています。両目で仕上がりを想定しながら被写体に向き合い、一枚の写真を創り込んでいく。一眼レフの片目で撮った写真と、ハッセルを両目で見ながら撮ったのでは表現に違いが出ます。
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