桜の撮影に対する気持ちに以前との違いはありません。
いつも同じ気持ちです。
――入院されたこともあり、一昨年の桜だけは撮影できなかったとおっしゃっていました。昨年の桜の撮影には特別な気持ちがあったのではないでしょうか?


 病気になる前も毎年桜の撮影に対する気持ちに変化はありませんでした。このことは今も変わりありません。ですから撮影に対する姿勢はいつも同じです。変わった点といえば、以前にも増して皆さんが声をかけてくれることです。私の体調のことを気にしてくれていたようです。
 また私が新宿御苑や代々木公園で撮影した作品を発表していることと直接関係があるかどうかわかりませんが、両所とも昨年はアマチュアカメラマンの姿を数多く見かけるようになりました。

 


傘雲を冠った富士山は、誰もがみても美しい。夕日に照らされて、赤く染まる姿は人々を感動させることだろう。
■カメラ:ペンタックス645NU レンズ:150-300mmF5.6 絞り:F9.5 三脚使用 PLフィルター使用 RVP50

全国すべての地域に行きたいです。
イキイキとした姿の桜をぜひ撮影したいと思っています。
――今回、掲載させていただく桜は都内の新宿御苑で撮影されたものですが、この春にぜひ訪れてみたい場所はありますか?


 私は以前から桜の三大名所として「学校」「水力発電所」「お墓」を挙げてきましたが、それは今も変わりないと思っています。一ヶ所に腰をすえてじっくり撮りたいので、なかなか他所には行けないのですが、できれば全国すべての地域に行きたいと思っています。ただし、まだ身体が万全ではないので、早く治して撮影に取り組みたいと考えています。


富士山は訪れる度に表情が異なります。
これだけ魅力的な山は他にありません。
――2009年1月に放映された番組「写真家たちの日本紀行」でも、復帰後初の長期ロケに富士山を選ばれました。昨年も富士山にはよく足を運ばれていますが、富士山の魅力とはどのようなことでしょうか?


 富士山は今までにも何回も撮影しています。いつ訪れても表情が違っていて、毎回新しい発見や感動があります。その理由は分かりませんが、とにかく景色が変わります。
 ですからアマチュアカメラマンの方でも多くの方が富士山の魅力に魅かれ、中には麓に住んで撮影されている方もいると聞いています。その気持ちは私もすごくよく分かります。霊峰富士と言われているように、単なる山ではありません。富士山は我々日本人にとって特別な思いを抱かせてくれる山です。これだけ魅力を持った山は他に見当たらないでしょう。

 


春の公園は様々な花が咲く。桜、梅、モクレン、コブシなど多数。それを一度に見ることができるのが、公園の良いところであろう。
■カメラ:ペンタックス645NU レンズ:150-300mmF5.6 シャッタースピード:1/30 絞り:F5.6 +0.3EV 三脚使用 PLフィルター使用 RVP50

被写体を決めたらとことん追求すべきです。
何回も通い続けて撮影することで、本当の姿が見えてきます。
――富士山の撮影方法は、遠景・近景など数限りなくありますが、先生がお気に入りの撮影ポイントはありますか? またアマチュアカメラマンへのアドバイスをお願いします。


 お気に入りのポイントは富士山が見える所すべてです。富士山に限ったことではありませんが、被写体を一つ決めたらとことん追求するべきです。通い続けて撮影を重ねる。一回だけ撮影したのでは本当の姿に出合えません。何回も何回も撮影することで本当の姿が見えてくるはずです。私が富士山に通い続けているのもこれが理由の一つです。まさに写真を撮る喜びが感じられます。

 当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。

++