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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2016.04.29【Vol.267】

クラシックカメラ話「オリンパスペンF」

クラシックカメラ話「オリンパスペンF」

オリンパスペンFは1963年にオリンパス光学工業株式会社が発売した世界初のハーフサイズ一眼レフカメラです。同じネーミングのデジタルカメラも今年2月に登場したばかりです。1959年に発売された同社オリンパスペンは小さくてよく写るということで成功したカメラでした。それに続いて登場したのがレンズ交換可能なシステムカメラのペンFです。直径5センチ、金属製の「オリンパス ロータリーメタルフォーカルプレーンシャッター」という長い名前の機械式シャッターは1/500秒のシャッター速度でもストロボ光に同調することが可能です。

正面から見て右寄りのレンズ配置、左右非対称のエプロン部のデザインはとても斬新で、通常の一眼レフのようにペンタプリズムを持っていないので、小さな段違いの軍艦部が横長の流れるようなシルエットを見せてくれます。専用マウント(ペンマウント)による交換レンズはズームレンズ2本を含む17種類(その他に1本38mm F2.8で250万台販売記念のペンF低価格セットに付属したレンズがあります)でした。広角は20mm(約27mm相当)から望遠は800mm(約1000mm相当)までラインナップされていました。なお、ペンFは露出計を内蔵していないため、外付けのCdSメーターをシャッターダイヤル部に装着することで対応しました。その他、ベローズ、マクロ撮影ユニット、マグニファイヤーなどアクセアリー類もあり本格的なシステムカメラとしてオリンパスの売れ筋商品となっていきます。

その後、露出計、セルフタイマーを内蔵したペンFT、露出計を省いたペンFVと種類こそ3機種にとどまりましたが、数少ないハーフサイズ一眼レフとして成功した唯一のモデルともいえます。2009年にはミラーレス一眼のオリンパスペンが登場し、今年2016年にはペンFが登場。発売から50年以上経った今でもオリンパスを代表するカメラシステムとしてその名前を刻んでいます。


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