種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.08.04【Vol.333】
全国的に梅雨もそろそろ明けたかな、という季節ですが、まだまだ不安定な天候が続いています。8月なのに朝晩の寒暖差が激しく、体調管理がますます大切な季節だなと実感しています。さて、大切な撮影機材の管理はおろそかになっていないでしょうか。日本に暮らす以上、高い湿度と付き合っていかなければなりません。湿度やほこり、汚れが機材に及ぼす影響で最も怖いのがレンズへのカビダメージです。雨が降り続く梅雨時期もですが、梅雨明けの不安定な天候もカビにとって快適な季節のようです。
■カビが及ぼす影響
・逆光の時にフレアが多く発生したり、写真のコントラストが低下する可能性がある
・わずかカビが繁殖の原因になる
何はともあれ、機材の清掃が大事です。レンズの表面のホコリを払って必要であればレンズクリーナーなどで拭きます。あわせてレンズキャップやダストカバーなども掃除しておきます。防湿庫へ入れておけば安心ということではなく、しっかり機材の清掃をしたうえで収納したいところです。
ちなみにカビの生育繁殖条件(一例です)
■生育温度 0~40℃
・活動が活発になる温度 25~28℃
・カビの好む湿度 50%~65%以上 ちなみに東京・大阪の年間平均湿度66%
あわせて、
■カメラの保管に適さない場所
・押し入れや納戸、カメラバッグに入れっぱなし(特に古いカメラに付属する革ケースは危険)・紙製の箱など吸湿性のある容器
以上を見ると、自動で湿度管理してくれる防湿庫は大変便利なアイテムといえます。ただしスペースをとってしまうという点はどうしても避けて通れません。仕事用のカメラやレンズは毎日のように屋外や室内を行ったりきたりして撮影し、風通しのいい場所においているので気にしていませんが、趣味で集めている古いカメラや、たまにしか使用しない交換レンズなどの保管に困ります。大して広くない住居ですので、僕の場合、ホームセンターで購入してきた透明の「コンテナケース」にカメラを収納しています。カメラを集めはじめてかれこれ20年ほど経ちますが、当初からこの方法です。そしてそのケースの中に「カビ防止剤」という製品を必ず入れるようにしています。奇跡的かもしれませんが、その方法で一度もレンズにカビが生えたことがありません。
当然コンテナケースを置くスペースは必要ですが、レンズ、ボディーと別けて収納したり、可搬できる点で便利です。据え置き型の防湿庫もほしいところですが、今のところ「コンテナケース」と「カビ防止剤」の組み合わせで対応できています。