【ジャンク】フィッシュアイコンバーター ソニー「VCL-ECF1」を使って歪んだ世界を楽しむ
はじめに
今回は「フィッシュアイコンバーター」を使って「魚眼レンズで歪んだ世界を楽しむ」がテーマです。フィッシュアイコンバーターは、対応レンズの前に装着することで、手軽に日常風景を少し違った風景に写し出すことできます。今回はジャンク品で購入した、ソニーのAPS-C用レンズ「E16mm F2.8(SEL16F28)」とフィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」の組み合わせでお手軽に魚眼撮影をしてみました。
フィッシュアイコンバーターってどんなもの?
今回紹介するフィッシュアイコンバーターは、レンズの前面に装着するタイプのもので、簡単に魚眼レンズで撮影したような世界観を楽しめるアイテムです。専用の魚眼レンズと違って安価で魚眼の世界を楽しむ事ができるアイテムですが、専用レンズに対して解像度という点では少々劣ってしまいます。魚眼レンズ自体、普段の使用頻度は低いレンズですし、またレンズ自体も高価になる場合が多いため、手軽に楽しんでみたい人にはおススメのアイテムです。
今回使用したソニーのフィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」。すでにメーカー生産完了品のアクセサリーになっているアイテム、そして装着できるレンズが「E16mm F2.8(SEL16F28)」と限定されている為、中古市場で比較的安価で入手できるアイテムになっています。また「E16mm F2.8(SEL16F28)」も、ソニーのEマウント初期のレンズの為、中古市場では1万円程度購入できるレンズです。両方揃えてもお手頃な価格で手軽に魚眼の世界を楽しめるレンズになります。
フィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」と「E16mm F2.8(SEL16F28)」のそれぞれの仕様は下記のようになっています。発売された年は2010年、ソニーのミラーレスカメラ「NEXシリーズ」の登場とともにEマウントが採用された年で、現在のEマウントの創生期のレンズとアクセサリーです。
フィッシュアイコンバーター ソニー「VCL-ECF1」の仕様
焦点距離 | E16mm F2.8に装着で10mm F2.8相当 ※35mm換算焦点距離:15mm |
対角線画角 | 180°(装着時) |
レンズ構成 | 4群4枚 |
フィルター径 | フィルター装着不可 |
装着方法 | バヨネット構造による簡単装着 |
最大径 × 長さ | 約66mm x 約44mm |
重量 | 約150g |
発売 | 2010年 |
ソニー「E16mm F2.8(SEL16F28)」の仕様
焦点距離 | 16mm(35mm換算:24mm) |
レンズ構成 | 5群5枚 |
開放絞り | 2.8 |
最小絞り | 22 |
フィルター径 | 49mm |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最近接距離 | 0.24m |
マウント | Eマウント |
最大径 × 長さ | 62mm x 22.5mm |
重量 | 67g |
発売 | 2010年 |
下の写真は、「E16mm F2.8」単体で撮影したものと、フィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」を装着して同じ場所から撮影したものになります。「E16mm F2.8」単体で撮影したものは、焦点距離24mmの普通の描写ですが、フィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」を装着した場合は、直線が大きく歪み魚眼レンズらしい特徴的な描写をするようになります。
手軽に魚眼の世界を楽しめる「E16mm F2.8」とフィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」ですが、発売になった年がEマウント初期の為、「E16mm F2.8」がコントラストAFにしか対応していません。そのため、カメラ側のオートフォーカスの設定を「AF-S」にする必要があります。「AF-C」の設定だとオートフォーカスが正しく作動しない場合が発生します。最新のオートフォーカスが使用できない点はデメリットですが、風景やスナップ撮影であればそれほど問題視する必要はないと思います。
「VCL-ECF1」を使って都内スナップ撮影
フィッシュアイコンバーターを装着して都内を散策しながらスナップ撮影をしてみました。魚眼レンズで表現できる大きく歪んだ世界観は、直線が多い都会風景を楽しく撮影する事ができます。
下の写真は水族館のクラゲ水槽のコーナーで撮影したものですが、写真の左半分は鏡になっている壁を映しこんで撮影したものになります。鏡の効果と魚眼の効果が相まって不思議な空間を描写することができました。
魚眼レンズを撮影する際のポイントはレンズを向ける方向にあります。レンズを水平にして撮影すれば、大きな樽型の歪みが発生します。魚眼レンズは、構図を決める際に画面端に直線になるもの配置すると、本来直接であるものを曲線で表現できます。半面、中心部の歪みは無いので特徴を活かした撮影をすると面白い写真が撮れます。
下から見上げたり上から見下ろす構図にすると、歪みも大きくなりダイナミックな表現が可能になります。
魚眼レンズを使うときに少し注意が必要な点があります。今回使用しているフィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」は、装着時の画角が180°あるためレンズを支えている指が写り込んだり、足元が写り込んだりすることがかなりの確率で発生します。上の東京駅のドームの写真も、右下に少しレンズを支えた指の影が写り込んでしまっています。特に周辺が暗い被写体を撮影する際には、撮影している時には気が付かない事が多く発生します。気を付けたいポイントです。
「VCL-ECF1」を使ってネイチャー撮影
次にフィッシュアイコンバーターを使って自然風景の撮影をしてみました。魚眼レンズを使っての風景撮影は苦手なので少々苦戦しました。苦戦した主な要因は、魚眼効果を強く出すために被写体に寄って撮影するようなシーンで、どうしても自分の影が入り込んだり、画角が広いため太陽が直接画面内に入ってゴーストがふんだんに発生してしまい、四苦八苦してしまいました。
広い風景でフィッシュアイコンバーターを使っての撮影は使いこなすのがなかなか難しいですが、被写体に寄れるようなシーンや直線的な要素があるようなシーンであれば、独特の歪みを強調できる撮影は可能です。
まとめ
普段と違った写真を撮りたい方や、ちょっと気分転換して不思議な写真を撮ってみたい方におススメなのが魚眼レンズでの撮影です。本格的な魚眼レンズは少々高価ですが、フィッシュアイコンバーターであればコストを抑えることが可能です。今回のような組み合わせを中古でお手軽な価格で見つける事ができるかもしれません。専用レンズに比べて解像度という点では劣るフィッシュアイコンバーターですが、手頃な価格で楽しい撮影ができるアイテムなので興味の沸いた方は検討してみてはいかがでしょうか。
■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師
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