カメラのキタムラ
Vol.44 2003 SPRING
特集 写真家 沼田早苗氏  
写真の面白さはけして理屈ではなく、偶然の出会いの中にあるのだ。
喫茶店のカウンターに座り目の前のカップを撮る、パソコンで処理していたらいい夕方の青い色が出たのでプリントしてみた。
■カメラ:フジファインピクスS2プロ ニッコール50ミリ F1.4 4256×2848ピクセル TIFFモード 絞り:f1.4 シャッタースピード:1/45秒

写真は出会いが大切だが、出会ったときに上手く撮れる技術を身につけることが大変なのだ。
ポストの格好をした郵便受け。かわいいよなと思ってシャッターを切る。
■カメラ:フジファインピクスS2プロ ニッコール50ミリF1.4 4256×2848ピクセル TIFFモード 絞り:f2 シャッタースピード:1/125秒

レンズ交換式デジタル一眼レフはゴミが付きやすい。しかし、メインスイッチを切ってからレンズ交換するとほとんどゴミは付かない。この真実に気づいている人はまだ少ないのだ。
■カメラ:フジファインピックスS2プロ ニッコール50ミリ F1.4 4256×2848ピクセル TIFFモード 絞り:f1.4 シャッタースピード:1/15秒

RAWモードの問題点
  高性能を発揮するRAWモードだが、問題がないわけではない。データを開くためには専用のソフトを使わないと開けないということと、RAWの形式が各社微妙に異なるのでメーカーそれぞれに専用ソフトを入れないとイケナイということが面倒なところなのだ。まあ普通の人は色々なメーカーのカメラを使っているわけではないので、自分の使っているカメラのソフトをパソコンに入れておけばいいのだが、サンダーのように色々なメーカーのカメラを使う人にとっては面倒なのだ。
 そしてRAWモードは処理に時間がかかるということもやっかいなところだ。といってもパソコンが処理してくれるので待っていればいいだけなのだが、このただ待っている時間というのがパソコンが引き起こすストレスとなる。写真という意味では出来るだけ細かい描写力を持つ大きなデータが望ましいが、大きなデータは処理に時間がかかるのだ。
 もちろんパソコンの能力が上がれば、処理速度は上がっていくはずだが、そうなるとそのためにまた高価なパソコンを買わされることになる。


デジカメの将来
  デジタルカメラは急速に進化し、きちんと理解するのがとてもたいへんである。しかし、基本的に写真を撮るという行為は変わっていない。写真の面白さも難しさも何にも変わらない。
 とりあえずレンズ交換式デジカメはゴミが付きやすいという欠点はあるが、ゴミ付きの最大の原因はCCDが発する静電気だから、レンズを交換する時にスイッチを切って静電気の影響が収まるまで待ってからレンズを変えると、ゴミの付き方はかなり少なくなる(実際ほとんど付かない)。
 ゴミのクリーニングも出来るようになってきた(初期のレンズ交換式デジカメはクリーニングがとても難しかった)からデジタル一眼レフの決定的な欠陥は改修されたといっていい。残った問題はパソコンをしっかり覚えることだが、これはあせらずじっくり覚えていくしかない。しかし、覚えてしまえば今までの銀塩写真以上の価値があるからデジタルシステムを覚えてしまうしか方法はないのである。

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