カメラのキタムラ
Vol.44 2003 SPRING
特集 写真家 沼田早苗氏  
カメラのキタムラ
「第11回 全国春の花 フォトコンテスト」
南谷のカスミザクラ。国の天然記念物。これも珍しい種類のものだが、ひっそりとした場所に咲いている。
■カメラ:リンホフマスターテヒニカ4×5 レンズ:ローデンストック300mm 絞り:f32 1/2 シャッタースピード:1/2秒 フィルム:フジクロームプロビア100F 撮影地:山形県羽黒町羽黒山



遠くの山をバックにアングルを決めた。この桜は撮るアングルによっていろんな表情を見せてくれる。
■カメラ:リンホフマスターテヒニカ4×5 レンズ:ローデンストック210mm 絞り:f32 シャッタースピード:6秒 フィルム:フジクロームプロビア100F 撮影地:高知県仁淀村秋葉しだれ桜
―――昨年は全国各地で桜の開花が非常に早く、それが故にいつもとは少し違った趣の作品もありましたが、今回の応募に際し、先生が期待されていることがありましたら、教えてください。
 まず皆さんに理解していただきたいのは、日本の四季の変化は特別だということです。地域にもよりますが、海外でもこれだけ季節の変化が楽しめるところは少ないのです。
 四季の中でも、春はさらに特別です。春は毎年やってきますが、寒かった冬から暖かくなり、心が開放的になります。その新鮮な気持ちの高まりで撮ることが大切だと思います。難しいテクニックよりも、まず自分が写真を撮る楽しさ・面白さを理解し、自信を持って撮って欲しい。上手いだけではなく、”人に何かを訴える“”気持ちを動かす“”感動を与える“ことが、いい写真の条件だと私は考えます。


―――最後になりましたが、カメラのキタムラについてお考えになられていることがありましたらお聞かせください。
 キタムラの主催しているフォトコンテストは、撮影技術の高さもさることながら、みんなが気軽に写真を楽しめることに主眼が置かれているように思い
ます。初心者からベテランまでが気負
うことなく参加できることは、非常に
いいことだと思います。
 また、デジタルカメラの普及に対しても、デジタルプリントサービスを早くから取り入れ、デジタルカメラユーザーにもプリントをして楽しむことを積極的に啓蒙しています。このようにプリントにして鑑賞することで、撮影レベルも一段ずつステップアップできるので、日本のこれからの写真文化を高めていくのに大いに役立つと思います。

―――お忙しいところをありがとうございました。
山の斜面に咲く一面の菜の花。木々はまだ緑になっていない。黄色は明るく1段ぐらい補正しないと思ったより暗く写ってしまうので注意が必要。
■カメラ:リンホフマスターテヒニカ4×5 レンズ:ローデンストック135mm 絞り:f32 シャッタースピード:1/8秒 フィルム:フジクロームベルビア 撮影地:千葉県富津市マザー牧場

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