カメラのキタムラ
Vol.47 2004 WINTER
 
【てんとう虫】リスボンの電車の停留所でなかなか来ない電車を待っていたら、てんとう虫が登場したので遊びで撮ったワンショット。デジカメは接写に強いですね。
■カメラ:リコーCaplio G4 wide プログラムオート マクロモ−ド

【石段の街】リスボンは実に坂の多い街です。それが運動になるのでしょうか、お年寄りが元気です。このショットは液晶ではなく、透視ファインダーで人の動きをダイレクトにチエックしました。
■カメラ:リコーCaplio G4 wide プログラムオート

【ケーブルカー】観光客の絶好のモチーフであるケーブルカーは、ベンダース監督の「リスボン物語」にも登場しました。傾斜の奥行きを出すには、ズームレンズを望遠系にして街並みを描写することがポイント。
■カメラ:リコーCaplio G4 wide プログラムオート
たなか ちょうとく
1947年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒業。日本デザインセンター勤務を経て独立。
1973年から4年間ウィーン(オーストリア)に住み、作家活動を行う。1982年、文化庁からニューヨークに派遣される(2年間)。カメラの保有台数は2,000台を超える。『デジカメだからできるビジネス写真入門』(岩波アクティブ新書)、『デジカメ・マエストロ田中長徳の仕事にこそデジカメを使う!』(TJムック)など著書多数。

その1
デジカメ未体験者さんへの手紙
 どうですか?
 最近、写真の腕は上がりました?
 フィルムカメラで腕を上げているヴェテランのあなたが、どうもデジカメ嫌いって聞いたので、この手紙送ります。
 「デジカメなんか写真家の触るカメラじゃない」って、この間、超有名な60代の写真家の先生がコメントしてたのを、新聞で読んだけど、私は「ああ、コレじゃダメだな」って思ったんです。だって勿体ないですよ。
 まあ、ちょっとこれ、読んでみて。
デジカメは構えず気楽に気ままに
 最近のデジカメって、簡単に誰でも素晴らしい画像が撮れるというので、今まで写真をやったことのない皆さんは、先入観がないので、すぐにデジカメの世界に飛び込んでその便利さを謳歌し、かなり得をしてますね。
 ところが一方であなたのような方(フォトライフ四季を読むような方は写真のレベルだってかなりのものなわけですが)つまり、写真の腕に覚えのある方は、まだまだデジカメを食わず嫌いであることが多いんですね。
 それじゃダメなんだよね。
 そういうフィルムカメラでの腕はかなりあるのに、デジカメ未体験の皆さんは取りあえず、難しいことは考えずにデジカメを開始すること。
 これしかありません。

 実は私がデジカメを始めた7年ほど前、私は皆さんと同様にデジカメ嫌いだったのです。当時のデジカメはまだその進化の最初のステップでしたから、シャープネスはないし、色ははっきりしないし、しかも電池はすぐになくなるし、メモリは内蔵式で交換は出来ないから、12枚も撮影すれば、それで終わりというものでした。
 しかも時間をかけてそのデジカメの画像をパソコンにコピーするだけでもう疲れてしまいました。
そういう昔の時代には、私も皆さんと同じようにライカやニコンやキヤノンの35ミリカメラや、ハッセルやマミヤというような中版カメラで撮影、つまりフィルムに写すカメラで仕事をしていました。
私はプロですから、撮影した写真を売って生活しています。
我々、プロの場合、膨大な数の写真を扱うので、フィルムの場合だと現像して、選んで、編集部に届けて、という写真の管理の仕事だけでも大変な手間でした。これがデジカメになるとまず現像の手間がありません。
 画像はそのままインターネットで送ることも出来ますから、より時間の節約になり、仕事の作業能率が大幅に向上しました。
 こう書き並べると、私はデジカメの肩ばかり持っていて、今までのフィルム写真術を切り捨てたけしからんヤツと批判されそうですが、そんなことはありません。

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