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【小鳥】山小屋の2階テラスに大きいツララができていた。それをじっと見ていると、小鳥のようなツララを発見。
■カメラ:オリンパスOM2N レンズ:ズイコーオートマクロ50mm F3.5 絞り:f8 +1 1/3 露出補正 シャッタースピード:1/60秒 フィルム:コダクローム50 撮影地:長野県霧ケ峰高原 |
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【キツツキの顔】撮影途中、車道横の残雪からまるでくちばしの長い鳥が下を向いているようなツララがあった。これもキツツキによく似ている。
■カメラ:キヤノンNEW F‐1 レンズ:キヤノンマクロFD50mm F3.5 絞り:f5.6 シャッタースピード:1/30秒 フィルム:コダクローム50 撮影地:長野県霧ケ峰高原 |
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【ペンギン】積雪1メートル50センチの中を歩いて、冬の湿原に近づいている途中。ガードレールそばにペンギンが。周囲には人の足跡がなく、いったいどうしてできたのか。
■カメラ:キヤノンNEW F‐1 レンズ:キヤノンマクロFD50mm F3.5 絞り:f8 +1 1/3
露出補正 シャッタースピード:1/125秒 フィルム:コダクローム50 撮影地:長野県霧ケ峰高原 写真集「冬のおくりもの」(光村推古書院)より |
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「見過ごしてしまいがちなものを、
もう一度見直すこと」を大切にしたい。
地元の人にとっては、雪や氷などは日常の光景です。窓の霜などは早くストーブを焚いて、消してしまう対象でしかなかったのが、これらの写真を見せると、「こんなにきれいだったの?」と驚かれるとか。
また、小学校などで講演をされるときは、必ずこの氷の写真をスライドで上映するそうです。
あるとき、以前講演した小学校の先生から笑いながら苦言を呈されたことも。
「子どもたちが冬になると登校時にどこかで見つけた氷を『○○に見える』と言って学校まで持ってきて、玄関に置いていってしまう。その溶けた水が後で凍ってしまって…」。
そんなことなどがあって、見過ごしてしまいがちなものを見直すことの大切さを改めて感じ、自分の仕事は間違っていないという思いを新たにされたそうです。
「僕も想像力を養えるし、それが子どもたちに伝わり、子どもたちも想像力を働かせる。そういう仕事ができたことが非常にうれしい」。
知られていないものを、いい意味で
発掘してきて、紹介したい。
雑誌などでも紹介されていない、懐かしい風景。現在は、そんな知られざる東北の撮影を中心に活動されている西村先生。これも、急速になくなっていく祭りや踊り、茅葺きの民家などの風物を見直すきっかけになればとの願いを込めて、撮影されているものです。地元の人にとっては、特に価値があるように思えない風景も、もし消えてしまったら『あの頃はよかった』と懐かしまれることでしょう。そういう人たちに見てもらって「これは残さなくては」という動機になればという思いで撮影されているそうです。常にそういった様々なテーマを持って撮影を続けてきた西村先生。
「被写体に関しては、一度も行き詰まることはなかった。見てみれば周りにいっぱいあるから、これからも困ることはないだろう」と力強くおっしゃいます。
「自分が被写体をどうやってセレクトして、それをどう続けて、どうまとめるかを常に考えています」。
自然や動物だけではない、今後の新たな展開にも期待したいと思います。
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PROFILE
にしむら ゆたか
1949年、京都市生まれ。1972年、長野に移り住む。1977年、自然写真家として独立。日本写真家協会会員。著書に「ねぼすけヤマネ」「八ヶ岳の子ギツネ」「ヤマネ・森に遊ぶ」「冬のおくりもの」など多数。ビデオやCD-ROMなども発行。各地の小学校、大学、企業などの社会人講師も務める。 |
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