【鳥取砂丘の風紋】冬の季節風が吹き荒れると砂丘に風紋ができる。日本最大の鳥取砂丘には冬でも観光客が訪れるので、足跡が無い場所を見つけるのが大変だ。風紋の質感を出すには、風紋に影ができる朝夕の斜光線とローアングルで撮影するとよい。
■カメラ:リンホフマスターテヒニカ レンズ:ニッコール90mm 絞り:f32 シャッタースピード:1/2秒 フィルム:フジクロームベルビア PLフィルター 三脚使用 撮影地:鳥取県鳥取市 |
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父親の勧めで入学したこともあり、やがては写真館を継がなければと思っていました。ところが大学に入ってみると、商業写真や報道写真など、様々な分野があることがわかりました。お客さんが来るのを待つ写真館の仕事より、外に出る仕事をしたいと思い、家の仕事を継がない決心をしました。
やがて大学を卒業して、絵葉書の出版社としては日本で一番大きい福田芳文堂に就職することになったのです。そこには大学の先輩が勤めていたのですが、まだ学生だった頃にその先輩がたまに大学に来ては、「この前は上高地に行ってきた」、「東北に行ってきた」などと、とても楽しそうなんです。旅をすることに憧れていた私としては、「旅行しながらできる仕事があるなんて」とすごく羨ましく思っていました。
学生時代には報道写真ばかりを撮っていたので、絵葉書のような自然風景写真は撮ったことがなかったのですが、2年生の夏に履歴書を持ってその出版社を訪問しました。たまたま社長さんが面接をしてくれて、30分ほどお話をしたら「卒業したらうちにおいで」と言われ、とてもびっくりしました。
――就職されてからの活動はどのようなものでしたか?
私を含めカメラマンは3人入社し、私は北海道地区を担当することになりました。当時の交通手段の主役は列車です。ところがそれまで列車で遠くへ行くことがなかったので、まずは時刻表の見方から勉強しました。
また、絵葉書用の写真を撮るのでスピードグラフィックという4×5サイズのカメラを会社から渡されました。シートフィルムを使うこのカメラに慣れるために最初にしたのは、フィルム交換の練習です。北海道に行く前に鎌倉や江ノ島に2〜3回、練習も兼ねて行かされましたが、当時のフィルムはすごく高価なものでしたので、今のように同一カットを露出を変えながら何枚も撮ることは許されませんでした。
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